1.俺まだ18なんだが
ピーッピーッピーッ
「先生!!バイタル下がってます!」
「…クソッ、まずいな」
白い衣服を纏った女と男がなにか焦っている
「はぁはぁ…はぁッ…」
(あーー、息できねぇ)
「蒼士!!蒼士!しっかりして!お願い…」
「蒼士、お前なら大丈夫だ!!寝るんじゃねぇぞ!」
泣き叫ぶ両親
(…うるせぇよ、ババアジジイ)
「お母さん、お父さん、息子さんはいま大変危険な状態です。最善の処置を行いますのでお部屋の外でお待ちいただけますか?」
「息子をお願いします」と泣く泣く両親は部屋を後にした
「榊さーん!榊さん!聞こえますかー⁉︎」
ピーッピーッピーッ
「ッ…ーーッハァッハァ」
(お前らの声も、機械の音も、全部聞こえてるがもう声が出ねぇし体も動かんぞ)
視界も段々とぼやけてくる
「…バイタルが上がらない、先生!どうしますか⁉︎」
「っ、もう出来ることはない、奇跡でも起きない限り復活はもう…」
経験した事ないが、状況と体の感覚でわかる
俺は今から死ぬっぽい
(あぁ…)
(親孝行も出来てねぇし、中学高校で反抗期拗らせた俺はひきこもり親不孝ばっかで、
なにもなかった俺がやっとやりたかった事だって、これから…
アイツらとの約束も、ーーーーー告白だって…‥)
ピーーーーーーーーーーーー
(………………………俺まだ18なんだが…)
ーーーーーーーー俺は死んだ