表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/64

08.戦利品の分配

 私たちは一旦、白い部屋に戻った。

 さすがに初めてのモンスター部屋は怖かったし、緊張した。みんな気持ちは同じなのか、部屋に入るなりそれぞれ座り込んでいた。


「先に分配する?それとも食事にする?」

 デイジーに聞かれた。

 そういえば、私たちは奈落に落とされてから何も物を食べていなかった。確かに言われてみるとお腹がすいてくる。


 でも、エルの目はさっき得た魔剣に釘付けだし、私も指輪がすごく気になる。デイジーだって、鎧をさっきからチラチラ見ているのだ。

 みんなの様子を見て、エルがくすくす笑い出す。

「この調子じゃ、さっきの部屋で手に入れたものが気になって、落ち着いて食事出来そうにないな」

「「だね」」

 よって、分配を先にすることに決定したが……。


「剣はエル、指輪はリリー、鎧は重戦士のアタシって、なんかそれぞれのために与えられた感があるなあ」

 アタシ重戦士なのにポーターさせられてたせいで皮鎧だったしなー。と、もう鎧は私の!状態だ。


「まあ、デイジーの言う通りかな、不満ある人いる?」

 だれも異議は唱えなかった。


「じゃあ、剣は私で、指輪はリリー、鎧はデイジーね」

 私はエルから指輪を受け取った。


 デイジーは早速皮鎧を脱ぎ、アイテムボックスに放り込むと、『カヴァーチャ』という名の黄金の鎧を着込む。最初小柄な彼女には大きく見えたのに、着たらぴたっとサイズがあった。さすがアーティファクトクラスの武具だ。


「なあなあ、エルさん。試しにその元の剣で切りつけてみてくれん?」

 デイジーのノリは新しいおもちゃを手に入れた子供だ。やらないと気が済まないだろうし、実際に性能テストは必要だろう。

「よし、行くぞ」

 そう言ってエルが今まで使っていた剣で一閃する。……傷は全くつかなかった。

「エルさん結構本気……にしても見事にキズ一つ付いてないわ」

 そう言ってエメラルドのような目をキラキラさせて、鎧を撫で回している。


 エルはと言うと……。

 グラムを持って扉を開けたかと思うと、偶然そばにいたミノタウロスの首を一刀両断にした。まるで通り魔だ。

「素晴らしい……」

 扉を締めながら瞳は輝く刀身にうっとりだ。


 で、私なんだけど……。

 恐る恐る右手の中指に指輪を填めた。すると、すごい勢いで魔術書のページをめくるように、ありとあらゆる魔法の名前と効果イメージが頭の中を駆け巡っていった。

「うわあああ」私は頭に溢れる膨大な知識量に頭を抱える。気持ち悪い……。


 そして追い討ちをかけるように、()()が頭に響いた。


【全魔法を理解したことを確認しました。特別措置により、魔術師を賢者に昇格します】


「魔術師が賢者になったらしいです……」

 そうぼんやり言いながら私も部屋の扉を開ける。少し離れたところに狼が群れで三匹いた。


細氷の嵐(ダイヤモンドダスト)

 私が唱えると、オオカミと言わず、エリア全体が凍りついていた。

「「うわぁ」」

 扉の隙間から見ていたふたりが引いている。いや、みんながみんな大概だと思うよ。

下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)


駆け出し作家の身ではありますが、すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。

評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ