04.デイジーと自己紹介と初めてのキャリアアップ
無事ミノタウロスを倒すと、
「取り敢えずコレ、アイテムボックスにしまっとくね!」
そういうと、少女はやっぱりサイズにあっていない袋の中に、ミノタウロスと魔物の持っていた武器をしまった。やっぱりアイテムボックスってあのアイテムボックスなのだろうか?
そんなことを考えていたら、頭の中に『アレ』が響いた。
【回復師のレベルが上限に達しました。以下の職業を追加で選べます】
・聖女
・魔術師
「一旦、安全な部屋に戻ろう」
エルミーナに言われて、みんなで例の安全な白い部屋に戻った。
「ひとまず、これで落とされた者は全員揃ったかな」
エルミーナが見回し、私たちが頷く。
「自己紹介をしよう。私はエルミーナ。エルと呼んで欲しい。剣士をしていて、【鑑定】のギフト持ちだ。パーティーを追放されて、石橋から奈落に突き落とされた」
説明が重複するかもしれないが、エルは漆黒の真っ直ぐ伸びた長髪に、紫の瞳。良質のレザーっぽい防具で身を包んだ、細身で鍛えられたその身体は女性らしいラインを描いている。ハッキリ言おう。美人だ。
「アタシはデイジー。アイテムボックスのギフト持ちだ。ドワーフのハーフだからこんなナリだけど、力は一級品だよ。戦えるって言うのにポーターさせといて、チビなポーターは要らないって言われて奈落に落とされた」
デイジーは、少女と見まごう幼げに見える子だ。ポニーテールにした金髪と緑の瞳がキレイだよ。正直小さい子が趣味ってとかいう部類の男性だったら放って置かないんじゃないかな。
ポーターをしていたせいか、革鎧と割と軽装備なのに大きなハルバードを持っているのが、ミスマッチな感じ。
「私はリリー。回復師でちょっと支援魔法が使えます。聖女がPTに加入したのでもう要らないって言われて、奈落に落とされました。【キャリアアップ】ってギフトを持っているみたいです……」
私は回復師の白いローブを着ている。杖を使う派では無いので杖は持っていない。淡いピンクブロンドの長い髪をお下げにしていて、瞳は髪よりは濃いローズクォーツ色だ。人並み……だと思う。
というか、二人とも揃って、「「キャリアアップ?」」に食いついた。そりゃそうだよね。私だって意味わかんないもん。
「私の【鑑定】でちょっと見せてもらっていいかな?」
エルが尋ねるのに了承の意味を込めて頷く。
「本当だね。しかも次のジョブを選べる状態になってる。それにしても、リリーの総魔力量は凄いな」
エルの鑑定能力は凄いみたい。そんなことまで分かっちゃうんだ。
「今、聖女か魔術師を追加で選べるらしくて。これから皆さんと一緒に地上を目指すなら、相談した方がいいかなあって思って保留中です」
私は悩ましげに首を傾ける。
「私とエルって純粋なアタッカーでしょ。物理攻撃が効かない敵がいるとお手上げなんだよね。魔術師はどうかな?」
デイジーが提案する。
「確かにそうかもね。聖女だと、聖属性攻撃に偏るし。回復に関しては、リリーの魔法の威力は高いから、今で十分だしね。その魔力総量なら回復師と魔術師の両立も可能なんじゃないかな」
「じゃあ、魔術師選びますね!」
【回復師のレベルが上限に達しました。以下の職業を追加で選べます】
・聖女
→魔術師
みんなの意見を聞いて、私は回復師兼魔術師になった!
……それにしても、私ってそんなに総魔力量多かったのかぁ。
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