39.悪魔の怒り
名前をシリル→シトリーに修正しました○| ̄|_
双頭龍のピュートーンとテューポーンが退治されたその時。
その生みの親が激怒していた。
「ちょっとシトリー!人間ごときに僕の玩具壊されたんだけど!!」
そう叫んで、彼は机の上の実験器具のガラスを横殴りにする。パリンパリンとガラスの実験器具が割れる。
部屋の中には、たくさんのキメラ(合成獣)がガラス器具の中で、溶液に浸かっている。ライオンのたてがみを百以上の蛇に置き換えたもの、龍の体に三つの頭をつけたものなど、様々なものたちが眠っていた。
怒りを顕にしている彼は、漆黒の髪に血色のガーネットの瞳。頭に生える二本の角に、漆黒のコウモリの翼。
そして見た目の年頃は十歳かと思われる少年の姿だ。
しかし、その幼い外見とは異なる残虐さで、悪魔の中でもキメラ(合成獣)作りを趣味としていた。
「テューポーンとピュートーンは僕の最高傑作だったのに!」
血色の瞳には怒りが浮かび、消えることがない。
「もー、ラウム、怒りすぎぃ」
呆れてシトリーは肩を竦め、宥めるように彼の名を呼ぶ。
「黄金が好きだって言うから、ドワーフ達の宝物庫に転移させて寝かせておいたんだよ!テューポーンとピュートーンは何も悪いことしてないじゃないか!」
テューポーンとピュートーンは、彼のお気に入りだった。幼い双子のドラゴンを合成させて育った彼らは、仲良く知性もあり会話も可能、自分にも懐いていた。最高の合成獣だったのだ。
「僕たち悪魔の邪魔をしたこと、思い知らせてやる!」
シトリーはひとり、こっそりとため息をついていた。
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