16.地上への道①
ケット・シーにお礼と別れを告げて、私たちは上の階に繋がっている魔法陣の前にいる。
「キャリアアップ」のスキルも、ケット・シーのアドバイス通り聖女を選んだ。
【賢者のレベルが上限に達しました。以下の職業を追加で選べます】
→聖女
・空間魔導師
・時魔導師
「きっと、地上まで生還してみせるね」
そう約束して、私たちは魔法陣の上に乗った。
◆
五十九階。
そこには、イヌ科系?のモンスターがうろついていた。フェンリルにケルベロス、オルトロスなどだ。
まあ、モンスター部屋で狩りまくっていたものと同じか同種なので、歩きながらエルが剣で薙ぎ払っていた。その様はまるで草でも刈っているようだ。そして、デイジーがぽいぽいと収納役。
「通常エリアだと、消化試合って感じだな」
そう言って、ボス部屋にたどり着く。
「ここは慎重に行こう。バフお願い」
うん、とうなづいて、私はみんなにバフをかける。
「行くよ」
扉を開けると姿を現したのはキングベヒーモスだった。二本の角・鬣・紫の毛皮を持つ巨大な獣だ。
「落雷!」
ベヒーモスの上からバリバリと稲妻がいくつも降り注ぎ、感電したのか動かなくなった。
「デイジー!」「オッケー!」
二人が駆け出し、エルとデイジーで首をひたすら切る。巨躯のため首を切るのが一苦労だったようだったが、彼は目覚めることなく首を狩られていた。
五十八階
まだ獣エリアのようだ。エルが薙ぎ払いながら歩いている。
そしてボス。スレイプニルという名の脚が八本ある巨大な軍馬だった……が。
「うおりゃああああああああぁぁぁ!」
と叫んで、デイジーがぶんっっとハルバードを振るうと、巨大な衝撃波が発生する。それは、そのまま一直線にスレイプニルの足目掛けて飛んでいき、自慢の脚全てを切り落とした。
そして、エルに首を落とされて息絶えたのだった。
五十七階
通常エリアは大きな毒蛇がウロウロしていたが、……以下略。
ボスはヒュドラだった。頭が九本ある巨大な蛇だ。一本だけが本物の首で、その他の首だけを切っても二本になって再生するのが厄介だ。当然毒も持っているが、私たちには守りの指輪があるから効果はない。
「私が焼き切っちゃうね!」
そう言って、私は手をヒュドラに向けて唱える。
「熱光線!」
一直線にヒュドラに向かう熱光線を右から左になぎ払い、まとめて首を焼き切った。焼かれた断面からはもちろん再生なんかしなかった。
五十六階
少し雰囲気が違う。部屋が全体的に寒いのだ。そして、ファントムやレイス、スペクターと言ったアンデッドモンスターがフワフワしていた。ここがケット・シーの言っていたアンデッドフロアらしい。
私が「聖なる光」をレーザー光線のように発し続けながら浄化して歩いた。
ボスはリッチだった。上級魔術師がアンデッドとなった、不死の魔術師だ。
「コロス……」
と言ってロッドに魔力を溜め始めていたので、
「浄化消滅!」
魔法を食らうと面倒なので、早々にご退場願った。
五十五階
巨人たちのエリアだった。大きな一つ目のサイクロプスがウロウロしている。
私が「雷の矢」を、その大きな目に撃ち込んで歩いた。
ボスはサイクロプスより一回り大きく、角の生えた亜種だった。強いのだろうから、「雷の球」をありったけ目玉に打ち込んでおいた。
五十四階
グリフォンが沢山飛んでいた。鷲の上半身とライオンの下半身を持つ魔獣だ。
デイジーがハルバードの大きな刃の方で、首を叩き折って歩いていた。
ボスはコカトリス三匹だ。首から上と下肢が雄鶏で、胴と翼はドラゴン、しっぽが蛇だ。
エルとデイジーがサクサクと首を狩ってたけど……。
いやだってね、こいつらは毒がいやらしいモンスターだけど私たちには効かないので。ただの首狩り行為で終わってしまっていた……。
これで未踏破エリアはすべて踏破した。
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