10.『奈落』探索③
休憩後、私たちは再びフロアに出た。フロアに居たミノタウロスと狼は、エルとデイジーであっさり喉を掻っ切っていた。……アレ、私の出番がない。
「じゃあ、次はこの扉を開けるよ」
エルの言葉にふたりがうなづく。
扉を開けると、バジリスクが十匹居た。爛々と輝く金色の爬虫類の目がこちらを見る。
ヤバイ!これ石化毒持ちだ!毒の息を食らったら終わりだ!
「「リリー!」」
「わかってる!細氷の嵐」
慌てて部屋に向けて部屋の全てを凍らせた。生物も含めて。
するとまた、部屋の中央に三つ宝箱が出現した。
みんなが集まってくる。
「うん、全部罠はないね。開けるよ」
エルの言葉に頷く。
一つ目は服だった。
「魔術を統べるもののローブ……着ると体力と防御力と魔力が上がるらしい」
二つ目は深紅の服だ。
「剣の女帝の皮鎧……これはレッドドラゴンの皮か?凄いな。防御力と体力と素早さが上がるらしい」
三つ目はハルバードだった。
「首狩り公の戦斧……名前はアレだが、呪われてはいない。禍々しいほどの刃の鋭利さだな」
これらの戦利品は、デイジーのアイテムボックスに入れて置いて貰って、反対側の扉にも挑むことにした。あ、勿論その前にバジリスクは溶かして収納したよ。
「開けるぞ」
エルの合図にうなづく。すると部屋の中には3つ首の犬「ケルベロス」が居た。
瞬間、デイジーはアイテムボックスを漁って装備を「首狩り公の戦斧」に変えた。
「氷縛!」
今度は捕らえ漏れなく足止めすることが出来た。
すると、二人が部屋の中に駆けていき、競うように首を刈りつくした。すぐにケルベロスは全滅した。
そしてお約束通りに宝箱が出現する。今度は一個だ。
「罠はないな」
エルが開けると、三つのおなじ指輪が入っていた。
「守りの指輪……全ての状態異常をほぼ完璧に防ぐ」
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