01.追放
私はリリー。Sランクパーティ「赤い連撃」の回復師をしている。支援魔法も少しできたりする。でも私自身はBランクだ。
リーダーは、長剣使いのハヤト。彼の放つ連撃について行ける者は居ない。
攻撃魔術の使い手のスノウ。彼女は一度にたくさんの氷の刃を展開し、敵を殲滅する。
弓使いのフォリン。美しいエルフであり、その弓の速さと正確さは神業だ。
そして、昨日新しく聖女のアスカさんが加わった。
なんかね。『回復役重複してない?』とは、ちらっと思ったんだ。それに、なんかみんな私抜きでコソコソ話してること多いなあって。
そして、その日のダンジョン探索は、やっぱりなんかギクシャクしてた。
誰もおしゃべりしないし。
私が回復しようとすると、アスカさんが対抗するかのように先にヒールをかけてくる。先に打つのが目的になっているから魔力練れてなくて、完全に回復できていないじゃない。
そして、下は『奈落』まで続くと言われている石橋にたどり着いた時だった。
「リリー、お前はもう要らない」
私を指さし告げるハヤト。
「急に、どうして……!」
悪い予感は当たったが、まさか攻略中にこんなことを言われるなんて。混乱する私をあざけるかのようにハヤトが言う。
「聖女さまが入ってくれたんだ、その下位互換の回復師なんて、もういらないんだよ!今日一緒にいてわかっただろう。魔法の発現速度も彼女の方が早い!お前の負けだ!」
『……ホントは俺の誘いに乗って俺の女のひとりになればいいものを、断るなんて自分を何様だと思っていやがる』ハヤトの本音はコレなのだが。
私は呆然とした。何も考えられなかった。だから、ふと意識が別の所へ行った。少し離れたところから怒鳴り声が聞こえてくる。
「お前みたいに取りすまして融通の効かない女はいらない!」
「チビで不格好なポーターなんて目障りなんだよ!」
なんか、似たような揉め事起こっているみたいなんだけど……
遠くのことに気を取られていたら、『ドンッ』と強く肩を押された。
「じゃあなー」
私は『奈落』に落とされた。
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