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豪奢な扉が開き、その明るさに目を窄めた。
パイプオルガンが響き渡り、こちらの聖歌の様な物が歌われている。
教えられた順序通り、ゆっくりと歩き出す。
「マリー、おめでとう!」
「めっちゃ綺麗やで!よっ、大統領!」
「マリーちゃん、似合ってるよ!」
親しい人達の声が聞こえる真ん中を
瑠璃色のドレスを着て、アレンに手を添えながら進む
アンネさん達も呼びたかった為に
アンバート家の皆様には申し訳無かったのだが、小さく美しいこの教会を選んだのは正解だった
『ほんに美しいの、マリー』
「ありがとう、アレン。大好きよ」
『くくっ、先に我に言ってどうする。ほれ、行ってこい』
目の前には白のタキシードを着たゲイルが微笑み、手を差し伸べてくれていた。
「マリー、とても綺麗だ」
「ゲイルも、とっても素敵だよ」
今日、2人は正式に夫婦となる。
「これを」
ゲイルは黒い革製の箱を開けた
「これ…」
「結婚式と言えば指輪なんだろう?」
こちらでは指輪の交換をする習慣は無い。
私も別に良いかと思い、話した事は無かった。
そんな事を知っている人間を見ると、にこやかにブンブン手を振っている。
お節介め、ありがとうリラ。
2つ入った指輪を、お互いに左手の薬指に嵌める。
嬉しくて飛び付くと、ゲイルは私を抱き上げてくるくると回る。
何だこれ、間違えたぞ
恥ずかしい。
ま、いっか。一生に一度だ。
こちらの風習によりお互いの頬にキスをすると、盛大な拍手が起きる。
すると、天から美しい色とりどりの花弁が舞う
『祝福あれ』
そう言う、女神様が見えた気がした。
「私、推しと幸せになります!」
~END~
これにて本編は終了します。
ここまで読んで下さった皆様には感謝しか有りません。
引き続き番外編が何話か御座いますので、お楽しみ頂ければと思っています。
『辺境の白百合と帝国の黒鷲』の方もどうぞ宜しくお願い致します。




