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一瞬だった。
閃光の様な眩い光がパッと起き反射的に目を瞑ってしまったのだ。
目を開けると、アンズが居ない。
皆一斉に辺りを見渡すと、スカルフの腕の中で光の檻に入れられグッタリしている様が目に飛び込んで来た。
「『やっと見付けたよ、アンズ。何処に行ってしまったかと思ったよ。僕の所から離れてはいけないじゃないか、悪い子だ。コイツに憑いて正解だったな』」
『その声…、お主ルーチェか?』
「『あれ?君は…アレンじゃないか。いつから狼になったんだい?』」
『そんな事はどうでも良い。アンズを離さんか』
「『駄目だよ。アンズは僕と帰るんだから』」
『話が通じない奴じゃったの…。
ゲイル、彼奴は光の最高位精霊。精霊界の頂点に立つ者。スカルフとかいう奴を乗っ取っているらしい。アンズはカレンと契約している、一刻も早く彼奴から解放せねばならん』
すると耐えきれ無かったのかカレンが腹部を押さえ、蹲る。
「カレン!」
「大丈夫よ、マリー…。アンズ様の魔力が吸い取られてるみたい、足りない分私から急激に抜き取られているの」
私はカレンを支え肩を抱く。
「光の最高位精霊様、アンズ様は私と契約をしております。故に貴方様と一緒に帰ることは出来ないのでございます」
苦しいのだろう、冷や汗を流しながらカレンは真っ直ぐルーチェを見据える。
私は、カレンに魔力を流しつつルーチェを睨み付けた。
「『…人間如きが、歯向かうことは許さないよ。それに、契約を解除するには君には居なくなって貰わなくては』」
ルーチェは、そう言うと手を前に突き出した。
そこから繰り出されたのは、大きな光の手だ。
攻撃を受けてしまう
そう思い、苦しむカレンを抱き締める。
衝撃に備え、ギュッと目を瞑ったが何も起きない。
目を開けるとゲイルが土の壁を作っていた。
ファミーユ様や兄2人も各々の魔法で加勢しているが強大な力に押されている。
『人間を攻撃する事は世の理に反する。今すぐに止めぬか』
アレンは毛を逆立て、怒りを顕にしていた。
きっと、スカルフの中にルーチェが居るので何も出来無いでいるのだ。
「『ふふふ、君は人間が好きだものね。コイツの中に居たら幾ら君でも手も足も出まい』」
そう言っていつの間にか何本もに増えた光の手の攻撃力を更に増して、高笑いをしている。
カレンが段々と浅い息になって来た。
私の魔力でも到底追い付かない。
ガッシャーーーーン!!!
そんな時だ
建物の上部に有る窓が割れ、何度も何度も平面で見た事の有るフォルムの大剣が光の手目掛けて刺さった。
「遅れてごめん!!!」
彼は窓から飛んで入り、着地をした。
なんて、主役らしい登場の仕方だ。
「え、エディ………」
カレンは薄い声で彼の人の名前を呼んだ。
「カレン、待ってろよ。今助けてやる」




