66
「げ、ゲイル?」
何か凄い事を言われた気がする。
「マリーにとってはただの漫画の中のお気に入り、その【推し】という存在なのかもしれない。
だけど、俺は…異性として1人の人間として君の事が好きだ。
君に漫画の登場人物としてでは無く、存在する男として見て貰いたい」
「え…」
「こんな事を言われて混乱してしまうかもしれない…だが、今日面接でミレーヌの教師になる事が決まった。マリーを養う事も出来る。
このタイミングで…君に想いを伝えたかったんだ…」
「ま、待って、ゲイル。…本当なの?」
「あぁ。君が、好きなんだ」
顔を見たくて少しだけ押し返し、見上げるとゲイルはやはり苦しそうな顔をしていて目を合わせない様にしている。
気持ちが伝わって来てぶわっと現実になった。
嬉しくて、どうしようも無くて辛そうな顔をするゲイルの首に抱き着いた。
「私も!私も貴方が…ゲイルの事が好き!」
「え?」
ぎゅーーっと抱き締めて想いが伝わる様にと願った。
そして、困惑している気がするゲイルの顔をもう一度見たら
本当に眉を下げていて、笑ってしまった。
「ふふ、私達同じ気持ちなんだよ?
私ね、最初はゲイルの事は漫画で大好きな【推し】だったんだ。
でもね、今は貴方自身が好きだよ。
ゲイルというただ1人の事が、大好き」
ゲイルは確かめるかのように私の頬を触った。
その手に擦り寄ると、頬を撫でられ
唇が触れ合った。
驚いて、目をぱちくりとしていると
ゲイルがもう一度抱き締める。
「…同じ気持ちだったんだな」
「ひぇ、ちょっと今何したよ!」
「嫌だった?」
耳元で囁く吐息がぶつかる。
瞬間湯沸かし器になった私は沸騰仕切ってしまった。
「い、嫌じゃないけど!!!」
羞恥で死ぬ。
少しでも拡散しようと、ゲイルの胸にグリグリと頭を擦り付けた。
「くっくっくっ、マリー…やめて、擽ったい…」
そう言いながらもゲイルは私の頭に頬擦りした。
え、何?
甘過ぎる!!!糖分過多!
狼だったよ!お母さん!!!
推しが溺愛型な気がしてしまい、それを受けるのが自分だと分かると何とも言えない気分になる。
でも、心の中は幸せに満ち溢れていた。
66という中々不吉な数字でようやくくっつきました。




