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【完結】推しとの同棲始めました!?  作者: もわゆぬ


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「マリー!」


飛び出て来たのは、予想通りゲイルだった。

ベッドから半身起こしている私を見て驚愕な顔をして、椅子に座るライラックをいつの間にか壁に押しやっていた。



「…やはり、ライラックか。お前、マリーに何をした」


部屋全体に冷気が漂い、重く激しい威圧で押し潰される錯覚を覚える。

ライラックはゲイルに喉元を押さえられている為に、声が出せていない。


「何もされて無い!ゲイル!何もされて無いから!」


目の前で命が摘み取られる気がして、必死に叫んだ。

ていうか、喉元押さえたら何も喋れないと思うよ。

私が何もされて居ない事が分かるとライラックを1度解放して、魔法で拘束をする。



「マリー…すまない、少し離れてしまった」


いや、ゲイルは列整理をしていたから本当に数メートル離れていただけだ。

あれはしょうがない出来事だった。


だから、抱き締め無いで欲しい。


少し抵抗したが、余計強く抱き締められている。

何これ、恥ずかしい。勘違いしちゃうでしょうが。



「う、ううん、あれはしょうがない。ライラックは私と話をしたかったんだって」


「話?」


咳き込んでいるライラックをゲイルは睨み付けている。


「…ゴホッ、久しぶりだね。ゲイル。少し、マリーちゃんを借りただけだよ。妬かないでくれるかな」


「マリーは物では無い。本人の意思をちゃんと聞け」


「悪かったよ。今度はちゃんとお伺いする」


「守れよ。お前とはやり合いたくない」


「君が怒るなんて珍しい。僕もだよ、今は勝てる気がしないからね。

エディからマリーちゃんの話を聞いてね、ちょっと会いたくなっただけだよ」


「…あんなに難しい魔法陣を何個も展開する奴が言う言葉では無い。

今度は家に来い。俺とマリーは婚約者だ。

マリーと1対1で会わせる事は出来ない」


「…分かったよ」


ゲイルは私を片手に収め、魔法陣を展開する。

転移魔法は自力ですると消費が激しいので滅多にする事は無いのだが、致し方ないのだろう。



目を開けるとゲイルの家に戻っていた。



「…本当に何もされていないのか?」


ゲイルは心配そうに、私を解放してくれた。


「うん、本当だよ。少し話をしただけなの。ゲイルは直ぐに来てくれたよ?」


「そう、だな…良かった」


「助かりました」


「その、今日は仕事…、残念だったな。

紫の髪がチラと見えて、ライラックの様な気がしたから貴族の知り合いがマッサージして欲しさに連れて行ってしまった。と言っておいた」


「わわ、そうだったんだ。私の外聞の為でしょ?突然の事だったのに、ありがとうね」


「旧友がすまなかった。昔から少し極端な奴なんだ」


「ゲイルが謝る必要は無いけれど…。何となく分かったよ…」





『帰ったぞ。ゲイル、ちょっとこちらへ来んか』


アレンは帰って来るかと思えば、ゲイルを呼んだ。


すると、アレンがゲイルの顔に前足の肉球を推し当てた。



『魔力が極端に減っておる。寝ろ』


アレンが言った瞬間にゲイルが崩れ、背に乗せられている。


『マリー、すまんが扉を開けてくれんか』


言われた通りにゲイルの部屋の扉を開けると、アレンがゲイルをポイッとベッドに投げた。


『暫く寝かせてやってくれ。魔力が枯渇状態なのでな』


「そうだよね、心配させちゃったな…」


『良い、良い。こやつが好きでやった事よ。

転移魔法だけでこんな事になる事は無いが、今回はマリーを探す為の探知魔法を広範囲にしたからの』



「ひぇ~!ごめんなさいっ!」


『ふはっ、偶には男を見せんとな。ぶっ倒れておるが』


アレンはクツクツ笑い、居間に移動する。


「アレンもありがとうね」


『殺気を感じ無かった為に、認識阻害に気付くのが遅れた。

我も謀られたのでな。闇属性は特殊じゃ、人間にしては厄介な奴よの』


アレンはいつものように門番をしてくれていた。

アレンが気付かないなんて可笑しいのだ。

それだけライラックは巧妙な使い手。

それを私と話がしたい、というだけに使うのは宝の持ち腐れだと思う。



「本当に話をしただけなの、変よね」


『なんじゃ、話をするだけの為にあんな大事を起こしたのか。けしからん』


「落ち人の私と2人で話をしたかったんだって。その機会が無かったから攫ったって言っていたわ」


『成程…。確かにマリーが1人になる事は少ないな』


「そうなんだよね…」


私の生活は大体、誰かが傍に居る。

ゲイルが居なくてもアレンやカレンが傍に居てくれるのだ。

優秀なボディガードをずっと侍らせていた様なものだ。

確かに攫わない限り、異性と2人きりにもならない気がする。


仮にもゲイルと婚約者だし…



『俺とマリーは婚約者だ。マリーと1対1で会わせる事は出来ない』



やば、思い出しちゃった。

言ってくれた言葉と、温かい腕の中。



ボンっといきなり真っ赤になった私を見て

アレンはびっくりしてから、ニヤニヤしていた。



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