56 ※アレンside
最近、我は葛藤の日々である
どうやら、ゲイルもマリーもお互い自分の気持ちには気付いた様なのだが前には進まないようでな
2人共経験が無い故、と見守っているが
見ているこっちが早う言わんかとなってしまうのじゃ
この間は同衾までして何もしていないと言う
距離感が初々し過ぎる、けしからん
面白過ぎるでは無いか
気質が穏やかな2人じゃ、ゆっくり進んでいるのも良き事さな
ゲイルは、ほんに表情が豊かになって来おったわ
良く、笑うようになった
人と深くなる事も無いような奴だ
喜ばしき事
元より表情の少ない奴であったな
マリーがこちらに来て沢山の刺激を与え、愛を知った
偶々見付けたあの日、雨の中腹を抱え魔力過多による発作を堪えていた童
いつもなら人間の事は人間に任せるのだが、溢れ出す魔力がやけに美味そうでな
何となしに助けてやったのだ
人の良さそうかつ、我でも知っている魔導士の元に連れて行き、家族の中に放り込んでやった
正解じゃったの
アンバートの奴らも面白く、愛い奴ばかりであった
ファミーユは母として、師として精一杯愛を注ぎ
兄達はゲイルを本当の弟の様に可愛がり、時に男同士の喧嘩や兄として諌める事もしていた
カレンもゲイルを他の兄同様、兄として慕っておる
ゲイルは自分は本当の家族では無いと言いながらも
また、そんな奴らが好きなのだ
しかしゲイルは何処か壁を作り、早く1人になろうとしておった
好きな奴らの迷惑になりたく無かったのであろう
危なっかしくての
不思議と契約もせずに助け、傍に居た
そんな彼奴が
愛を知り、前を向いて自らの夢を見付け
飛び立とうとしている
我はもう必要無いかもしれん
愛しい、人の子よ
だが、何かと世話の焼ける2人じゃ
2人が認め合うまで
もう少し、傍に居てやろうかの




