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【完結】推しとの同棲始めました!?  作者: もわゆぬ


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「暇だ~」




予想はしていたが、午前中のお客様は今の所ゼロだ。

初めての出店、そして市民の皆様が体験した事が無いであろう店なのだ

周りはそこそこ賑わっている為、悲しくなり

ついつい口から出てしまっていた。



『皆、遠巻きだが見ておるがの』


「そうなんだよね~…。よし、呼び込みするか!」


何度か呼び込みをしているが、負けじと呼び込みする事にした。

ゲイルは昼食を買いに行ってくれているので私も頑張らねば!

そう思い席を立つと、見覚えのある赤い色が目に入る。



「マリーちゃん、来たよー!」


「アンネさん!」


「ただいま、マリー。

アンネが来たいと言って聞かなかったんだ、昼時なのに押し切られた」


「いいんだよ、ちゃんと雇ってる子と交代して来たんだからっ。この日を楽しみにしてたんだ~後から母さんも来るって言ってたよ」


「うわ~!嬉しい!さ、こちらです」


アンネが少ない時間の中来てくれたので座って貰う

皮膚の強弱や、妊娠の有無等も重要な点なので細かくカウンセリングを行い、大丈夫そうな精油を私はその日の好みで選んで貰う事にしている。


結果、ペパーミントとネロリになった



「では、始めていきます」


アンネに施術を始めると何人かギャラリーが集まってきた



「わ~気持ち良い!私、子ども抱っこしたりして腕がよく疲れるんだよね」


「働き者のお母さんの手をしていらっしゃいますね。

ペパーミントは爽やかな香りで胃腸や呼吸器にとても効果的で、心をクールダウンしてくれます。


ネロリは癒し効果がとても有り、保湿効果も高い為お肌に良いのですよ。


香りを選ぶ際に自分の心と連動している事が結構有るのです。

その時に良いな、と思う香りが今自分が求めているものだと私は思っています」


「そうかも…。さっき、ボストンと子どもの事で少し言い合いになってね…」


アンネさんは解されながら溜まっていたで有ろう事を話していく

私のハンドマッサージは悩み相談になりやすい。

対面で施術を行なうので、お話しをしていると大体そうなってしまう。



身体も心も解されて欲しい。


きっと、この世界でも悩みの無い人なんて居ないのだ。



「あら…やだね、目からなんか出て来ちゃった」


「アンネさん、無理に止めてはいけません。

そんな時も無ければ疲れてしまいますからね。

どうぞ、反対の手を。私は手を解しているだけですので」


「ふふ、ありがとう。なんだか常連になっちゃいそうだよ」



アンネさんはそう笑いながらも涙を流していた。

きっと、少し疲れてしまっていたのだろう。

アンネさんはあちらでの私の年齢と同じだ。

私も周りに子持ちの友達は居た。

自分は経験していないけれど、お母さんは大変なのだ。


私がそれを和らげられるので有れば本望である。


チラッとゲイルの方を見ると次の予約が入っているようだ。

ゲイルには受付をして貰っている。

大体カウンセリング込で15分程度に収め、手頃な価格にして予約制にしているのだ。

花市を回ったら直ぐ経ってしまう時間を有効活用して貰おう作戦です。


アンネさんはハンドマッサージが終わった頃にはすっきりした顔をしていた。

アンネさんを見送り、ゲイルが書いてくれている予約表を見ると何人か予約してくれていたので

待って下さっていた次の方をお通しする。



暫くしたらミミさんも来てくれて、今日稼いだお金でまた精油を見せて貰う約束もした。



その日は結果、20人程のお客様の施術をして終わった。

初日にしては万々歳である。



撤収作業をしていると誰かの影が私を覆った。


「あら、終わっちゃったのね」


「カレン!来てくれたの?」


「なっ、近くまで来たから寄っただけよ。

マリーに会いに来た訳じゃ無いわ」


「嬉しい~」


「ち、ちょっと!抱き着か無いで!」


「カレン、来たのか。

いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」


「ふふふ、内緒だよ」


カレンは落ち人の国への連絡係として、魔法陣の行き来を自由にして貰っているので今日は私が初めて出店するのを心配して見に来てくれたらしい。



愛いやつめ。


私が抱き着いた事で真っ赤になってしまったカレンに頬擦りすると

子ども扱いしないで!と怒られたが何処と無く嬉しそうなカレンを見てニヤニヤしてしまう。

アレンもそれを見てニヤニヤしている。


こんな気持ちだったんですね、分かります。


「…そうか。よく分からないが、良かったな」


ゲイルはそう言って私達の頭を撫でた

2人して恥ずかしくてもじもじしてしまったが、ある事を思い出した



「あ、そう言えばゲイルのお兄さん達にも同じ事された気がする。似た者兄弟だね」


私がそう言うとゲイルがピタリと止まってしまった。



「?」


何故か固まるゲイルを見つめ小首を傾げていると

みるみるゲイルが赤くなって、口元を押さえていた


「…そうか、兄上達と同じ事を…」




『くくくくくくくっ。

マリー、ゲイルは喜んでおるんじゃ。

兄達と同じ事が嬉しいんじゃよ』


「アレン!」



耳だけでは無く顔全体まで真っ赤になるゲイルは初めて見る為、困惑と同時に目に焼き付けようと見開き過ぎていたらしく

アレンにとても笑われた。


カレンはまだ疑問符を浮かべていたので、ゲイルが恥ずかし過ぎてアレンをわしゃわしゃし出したのを良い事にこっそり教えてあげた。


私もわしゃわしゃしたい。

ていうか、何?推し可愛過ぎ無い?

天使かな?



気を取り直して晩御飯一緒にどうか、とカレンに聞くと

何だか嬉しそうにお兄様達に報告しなきゃ、と言って帰っていった。




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