40 ※カレンside
やってしまったわ
落ち人にとても失礼な態度を取ってしまった
そんなに悪い子でも無さそうだったのに…
でも
ゲイルには幸せになってもらわなきゃいけないんだもの…
きっと、あの子に優しくしてあげているのよ
付け込まれるのも時間の問題かもしれないじゃない
釘は刺さなきゃいけなかったのよ
ゲイルの周りはさっぱりしている人が多いから
私しか忠告出来る人間が居なかったんだもの
「落ち込むくらいなら、あんな事言わなきゃ良かったじゃん」と、エディは軽々しく言う
私もそう思うわよ、馬鹿エディ
エディみたいに誰とでも仲良く、なんて出来ないんだもの
仕方も分からないわ
あの子が極悪人だったらどうするのよ
エディが羨ましい
エディはそう言った後に頭を撫でて私を慰めてくれる
子ども扱いは嫌だけど、いつも私に甘いエディ
もう15歳だけれど
早く、釣り合うくらい
見て貰えるくらい、大人になりたい
身長は止まってしまったけれど…
1週間後王城へ行った次の日
話をしたわ
お礼をしたいと言うので断った
私はお礼を言われるような事は何もして無いもの
寧ろ、きっと傷付けてしまったわ
最初は追い返そうと思ったけれど
マリーの"漫画"とやらの話は、とても面白かった
エディが主人公の絵物語よ
いつか、見てみたいわ
つい、聞き入ってしまって
楽しく喋っていた
マリーはどうやら裏表が少ない人のようだわ
それに、マリーは変な子よ
私と友達になりたいと言うの
あんなに酷い事を言ったのに
謝らないって言ってしまったけど
直ぐに思い直した
だって、私だけ子どもみたいじゃない
しょうがないから"推し仲間"になったわ
私もゲイルの事は"推し"だもの
家族だから別枠だけどね、と後からマリーに言われたけれど
推しって深いのね
良く分からないわ
それから、やっぱりマッサージさせて欲しいとマリーが言うから
ハンドマッサージをして貰う事にしたの
何よ、あれ
気持ち良すぎない?
マリーの手は温かくてふわふわしていたわ
女の私でも可愛いマリーに解して貰ったら
少しドキドキしてしまった
中年男性とかにしたらダメだって言っとかないと
なんの精油かは覚えていないけれど、香りも凄く良くてお部屋に置いておきたいわ
後でマリーに聞いて侍女にお願いしようかしら
とても心地の良い魔力
私と真逆の光属性
マリーにぴったりだ、と自然に思った
不思議ね
私には、見守る事しか出来ない
だけどマリーは
ゲイルの傍に居られる
マリーなら、ゲイルを幸せにしてくれるかもしれない