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「…どうもしません、応援します。


ですが、それは本心では無いでしょう?」




「…どうして、そう思うの?」



「カレン様からゲイルへの恋情は感じられ無いからです。

どちらかといえば、家族を…兄を心配する妹というそのままの感情を感じています。


もし、カレン様がゲイルの事を男性として見ているなら私を無理にでも引き剥がそうとしているでしょうから。

カレン様は忠告しただけで、他のアンバート家の皆様同様見守って居てくれました」



「馬鹿では無いようね…。


そうよ、私にとってゲイルは特別な家族。

小さい時から傍に居てくれたの。

ゲイルは、独りぼっちの私をいつも助けてくれた…私の英雄よ。


優しい兄を、傷付けられたくないの」


「カレン様…」



カレンはそれ以上は言うまいと

凛とこちらを向いているが、何処かとても悲しそうに見えた




「わ、私!あちらの世界でこちらの事を見ていたんです。

【漫画】といって、絵物語なんです!

ゲイルの事はほんの少しだけしか書いていないのですが、エディが主人公なんですよ!」


「エディが?…確かに、あの人なら物語が沢山書けそうね。

世界が繋がっているって本当なのね」


「でしょう?」


私はカレンが食い付いて来た事を良い事に、長編漫画の内容をそれはもう身振り手振りを使って説明した


前の世界の頃から

人に特別好かれる事も無かったが、物凄く嫌われる事も無かった


故に、カレンとも良い関係を築きたくなった。

ちゃんと話してみたかった。


八方美人と言われてしまえばそうかもしれない。


だけど頑張らないまま、お互い余り知らないまま嫌われていたくなかった。


カレンは私の話を聞いていく程、目をキラキラさせて頬を高揚させながら「それで、それで?」と促してくれた。



「…そこで、ゲイル様がアレン様を従え黒いローブを靡かせながら登場!!



した所で、私はこちらに来てしまいました…」


「なんて事!ちょっとーーー!続きがとっても気になるわ!」


「そうなんです!あちらに未練があるとすれば、あの続きが読めない事なのです!」


「あぁ、そんな素敵な【漫画】とやら、私も見てみたいわ…」



「カレン様…。やっと、笑って下さいましたね」


「…!!」



「私、カレン様の事好きですよ。

私の話を追い返さずに聞いて下さるんですもの。

実は私、漫画で好きだったのがゲイル様なのです」



「え、え?で、でもゲイルはちょっとしか出て居ないんじゃ?」


カレンは漫画の事を考え、とても幸せそうにしていた。

それが、とても嬉しかった。

私の突然な告白にカレンはしどろもどろしている。



「そうなんです、私がこちらに来た後の漫画ではとても活躍されたかもしれません。

実際こちらでそうだったように。

私は見ることは出来ませんでした…


ですが、一度だけゲイル様が笑っている場面があって

私はゲイル様に恋をしたのです。」


「恋を…」


「恋愛感情では有りません。

ですが、一目惚れだったんです」


「分かるわ、ゲイルの笑顔は貴重だもの」


「分かります?

恋愛では無い、特別好きな人の事を【推し】と言うのですけど

私にとってゲイルは推しなのです」


「恋愛では無い…特別な、推し。

私と貴女は似ているのね…」


「あ、そうかもしれませんね。

私の事は是非、マリーと呼んでください」


「…マリー、やっぱり謝らせて。


酷い事を言ってごめんなさい。

子ども過ぎたと自覚しているの、ゲイルを取られたく無かったんだわ。

私の事もカレンと呼んで、敬語も要らない」



「カレン、ありがとう…。

ねぇ、早速なんだけど私とお友達になって欲しいな!」



「お、お友達!?

ち、調子に乗るんじゃなくってよ!

でも…そうね、推し仲間くらいにはなってあげても構わないわ!」




「やったー!」




マリーはお友達をGETした

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