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鏡を見た瞬間、コイツは誰だ?
と思う程に完璧に作り上げられた私は
今、皆様の目の前にいます。
骨格がイカれる程のコルセットは、存在しなかったがそれでも中々に苦しい。
何より、余りにも原型を留めていない…
早く爆発して散り散りになりたい……
「まぁまぁ、とても可愛らしいわぁ!」
身体中を真っ赤にした私にファミーユ様が駆け寄ってきた
「ごめんなさいね、うちではあの格好でも大丈夫なのだけれど…王城へ行くには戦闘服で無いと何かと噂が立ってしまうのよ…」
と、悲しげに俯いてしまった
「い、いいんです!私もあれでは駄目な事は分かっていました。
こんな素敵なドレスを用意して頂いて…本当にありがとうございます」
ファミーユ様を悲しませたくは無いので、お礼を言う
実際ドレスを着ている事は、とてもときめくのだ。
生地がとても肌触りが良く、滑らかで所々に縫い付けられた小さな輝く石は多分本物
おいくらするんだろう…と物怖じしているだけで。
にしてもドレスは戦闘服という事なので、本当に良かったと思っている。
ゲイルの体面を悪くしたい訳では無いのだから。
「そう…マリーちゃんはいい子ね。
ほら、貴方達も何か言いなさいなっ」
ニコリと花が綻ぶように微笑まれて、促され更に前に出されてしまった
「マリー嬢、良く似合っている」
「マリーさんとてもお似合いですよ」
「馬子にも衣装ね」
「紹介するわね。
真面目そうにしているのが長男のエルフィング、物腰柔らかそうなのが次男のマグオット、そして知っていると思うけど長女のカレンよ」
「皆様改めまして、宜しくお願いします
あれ?そういえばゲ…ゲイル様はどちらへ?」
「うふふ、もうすぐ来ると思うわ」
ゲイルがここにはいない事に気が付き首を傾げるとファミーユ様が応えてくれる。
直ぐにノックが有り、ファミーユ様が入室を認めると
そこには少し驚いた顔をしている、黒の軍服を着たゲイルが居た
「マリー…」
ジーザス。
眼福を通り越して来ました。
なんて言えば良いのか分かりません。
存在を認めて良いものですかね?
眩過ぎて目が開かないんですけど?
尊死出来る、今なら。
「その…マリー、とても似合っている」
「ゲ、げげ、っゲイルも物凄く似合ってるよ!」
盛大に上擦ったが何とか言い切った。
私とは違い、ゲイルは素のままで服を着てコレだ。
同じ人種とは思えない。
膝から崩れ落ち無かった私を褒めて欲しい。
それはもう、踏ん張って耐えている。
これが、軍服萌えなんですね…
初体験ありがとうございます…
「くふふふふっ、2人共そんなに見つめ合って…
とりあえず、お座りなさいな」
「…師匠。どういう事か説明してくれるんでしょうね?」
「えぇ、そのつもりよ」
ゲイルが物凄い顔をしているが
私は、とりあえず座りたくて指定された椅子に座る。
「マリーちゃん。早速だけど…
うちの子にならない?」




