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プロローグ

初めての執筆になります、拙いかもしれませんが

宜しくお願い致します。

「今日も疲れた~…でも、でも急がなきゃ本屋さん閉まっちゃう!」


ロッカーの扉を閉めながら独り言ち、手早く帰り支度をした。

5年も一人暮らしをしているからかすっかり独り言が染み付いてしまっている。



佐藤(さとう) 真理(まり)

花の28歳独身

あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持ち

精油に魅了されてアロマセラピストをしている

お仕事と2次元という推し事が忙しくて

年齢=彼氏いない歴を貫いている最中である。

寂しくなんて無い。決して




今日は新刊の発売日、早く手に取りたくて

疲れた身体を叱咤しながらもウキウキしていた。



私の推しているキャラクターは、漫画の序盤に主人公の学友でほんの少しだけ出てきた魔導士志望の男の子


ゲイル=アンバート

長髪を片方で纏めていて切れ長の目がとても鋭い彼。

台詞は『魔導士志望、ゲイル=アンバート』

『くっ…なんて強さだ…』の2つだけ。

口数が少ない、無表情キャラだったという事と主人公が早々に学園を飛び出し旅に出てしまった為にそのまま出番が無くなってしまった。

今や主人公も成長しているほどの長編漫画なので、読者から忘れ去られている不遇キャラだ。



私がゲイルを好きになったキッカケは、一コマに色んなキャラが居る中でたった1度だけゲイルが微笑んでいるコマがあったからだ。

何時もは鋭い目を優しく細め、学友達に紛れ主人公に微笑んでいた。



それはもう恋だった

一目惚れだった




漫画はずっと大好きで色んな物を読んだが

キャラクター1人を愛する、という事がゲイルを好きになるまで無かった。

ゲイルは特別で今回発売の新刊は

なんと予告で謎の魔導士現る!?と、出ていたのだ。

グッズ展開もないキャラを、長年待ち続けていたので確信は持てなかったけど

もしかして、もしかするんじゃないか…とこの日になるのを今か今かと待ち侘びていたのだ。


閉店間際の帰り道にある本屋さんに、残り数冊になっていたお目当てを見つけてしっかりと購入した。

保存用と2冊。




「早く読みたいなぁ…ちょっと開けて本当にゲイル様が出るかだけ確かめようかな…」



一人暮らしのマンションに帰るまでの暗い夜道

周りに人がいない事を確認して、また独り言ちて漫画の包装をバリバリ開けた。


こういう所に性格出ちゃうな、と感じながらペラペラ捲ると

そこには学園編の時より成長しているゲイル=アンバートが黒いローブを靡かせ大きくとても綺麗な狼を従えて盛大に登場していた。




「(~~~!!!やっぱりゲイル様だった!!大人になってる、格好良いーーー!!作者様神!!!)」




なんて盛大に心の中で惚けていると、急に目の前がパッと明るくなり

それが居眠り運転のトラックだと気付いた頃には

世界が暗転していた。






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