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森のげえむ屋さん  作者: 平野文鳥
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第5話 『会社の頭脳ゼロワンさん』

 『森のげえむ屋さん』の頭脳とも言えるプログラマーのゼロワンさんは、むかしはプログラムとは全く関係ない仕事をしていたそうです。そして、そのころにコンピュータゲーム開発にあこがれるようになり、その仕事をやめたあと独学でプログラムを学んだそうです。

 ぼくはプログラマーって頭が良い動物さんしかなれないと思っていたので、ゼロワンさんが独学でプログラマーになったという話を聞いたとき、ゼロワンさんはメチャクチャ頭が良い動物さんなんだろなぁ、と思いました。


 ある日、ファルコン社長とゼロワンさんとで昼食をとっていた時、ぼくが「ゼロワンさんってムチャクチャ頭が良いんですね」と言ったら、「そんなことないですワン」と謙遜けんそんしました。ゼロワンさんが言うには、プログラマーにもいろんなタイプがいて、ゼロから新しいプログラムが設計できるプログラマーは天才的な頭の良さが必要ですが、すでにできあがったプログラムを使いこなすタイプのプログラマーなら、ちょっとがんばって勉強をすればだれにでもなれるそうです。


「ボクは、使いこなすタイプのプログラマーですワン」とゼロワンさんは笑いながら、またまた謙遜けんそんしました。

「それでも、数学とかが得意じゃないとダメですよね?」

「プログラムというのは命令の文章ですから、論理的というか、きちんと作文が書ける力があればぜんぜんOKですワン」

「作文が書ければ? じゃあ、ぼくにもなれますか?」

「もちろんですワン!」


 すると、いっしょに昼食をとっていたファルコン社長が、ちょっといぢわるな目でチャチャをいれました。


「ゼロワンくんは、気が短いところもプログラマー向きなんだよね」

「どういうことですか、社長?」

「気が短いと、できるだけムダなくテキパキと仕事がしたくなる。そのためにはプログラムをできるだけ効率よく書かなければならない。それで、結果的に効率の良い優秀なプログラムになってしまうというわけだ。『遊び好き』ならもっといいよ。だって、早く仕事を終わらせて遊びたいから、ものすごい集中力と頭脳でプログラムを書いちゃうから」

「ボクは短気で遊び好きではありませんワン! プンプンッ!」


 どうやらゼロワンさんは社長のチャチャにカチンときたらしく、ちょっと怒りながら食事をバフバフとがっつきました。


(やっぱり、ちょっと気が短いみたい……)と、ぼくは思いました。


 ちなみにゼロワンさんはパズルや麻雀が大好きで、特に麻雀はとても強いそうです。ファルコン社長も麻雀が強いらしいですが、「ゼロワンくんにだけはかなわない」と、おっしゃってました。


 ゼロワンさんは謙遜けんそんばかりしてましたが、やっぱり頭がすごく良いみたいです。ぼくはパズルが苦手で、考え方もあまり論理的ではないので、どうもプログラマーには向いてないようです。ブブ……。


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