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森のげえむ屋さん  作者: 平野文鳥
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第4話 『ファルコン社長の夢』

 『森のげえむ屋さん』の面接に受かったぼくは、次の日から社員としてドット絵をかく仕事をすることになりました。

 会社の先輩たちはみんなとてもやさしく、困ったことがあったらいろいろと親切に教えてくれました。そして1ヶ月もすると会社にもなれ、先輩たちがどんなキャラクターなのかもだんだんわかってくるようになりました。


 まず最初はファルコン社長について、ぼくが知ったこと――


 ファルコン社長は『森のげえむ屋さん』を設立する前は、業界でも有名なゲームメーカーであるデーターポンポコ社の役員だったそうです。

 データーポンポコ社は、もともとはゲームセンター用のテレビゲームを動かすための『基板きばん』というものを作っていた会社でした。そして、テレビゲームがたいへんな人気になり、たくさんの基板が注文されるようになったおかげで大もうけをし、それから、テレビゲームのソフトも作るようになってから、またもうかって、大きな企業になったそうです。まさに順風満帆じゅんぷうまんぱんな企業というやつですね。

 ところが、ファルコン社長はそこでの安定した生活に疑問を感じるようになり、いつしか『自分のゲーム会社を作って、そこでみんなが楽しめるゲームを作りそれを大ヒットさせたい』と、いう大きな夢をもつようになったそうです。そして、データーポンポコ社をやめ、部下だったゲームプログラマーのゼロワンさんを引き抜いて今の『森のげえむ屋さん』を作ったそうです。

 ただ、やめた時にファルコン社長自身が開発したゲーム開発の基本プログラムを無断でもっていったとかで、データーポンポコ社の社長さんとちょっともめたそうです。それで、ファルコン社長が『おわびにデーターポンポコ社のために売れるゲームを作ります』とデーターポンポコ社の社長さんに約束したので、今ではうまくいっているそうです。


 ぼくは、むかしから夢を持つことは大切だと思っていましたが、どうやら、このゲーム業界にはファルコン社長のように、ぼくよりも何倍も大きな夢を持っている動物さんたちがいるのだなぁと思いました。

 ファルコン社長はとても頭の回転がはやく、とくにお金の計算はコンピュータなみで、経営に関してもつねに現実的な思考の持ち主らしいです。あと、宇宙を天体望遠鏡で観察するのが大好きなロマンチストでもあるそうです。


 夢をもち、現実的で、ロマンチスト――


 ああ、ファルコン社長って、きっと女性にもてるんだろうなぁ。ぼくもいつか社長のような動物になって女性にもてたいです。はぁ〜……。



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