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王様稼業は大変なんだが???

夜、ベッドに入りながら考える。


今日もいろいろあった。城下町見えたし、いろいろ聞けたし。


そもそも王様になるって言われて二日目だ。


なんとか覚悟は決まったがそれでも不安が完全に拭えたわけではない。


「そういえば・・・残してきたものはどうなっているんだろう・・・家とか・・・」


残念なことに俺に両親はいない。つい最近先立たれてしまった。それで家とか残ってるんだけど・・・


「どうしようもないよなぁ・・・なんか迷惑かけちゃうけど仕方ないだろう・・・」


どうしようもないことを考えていると少し眠たくなってきたしなんだか不安も薄れてきた。


安眠の魔法でもかかっているんだろうか。


俺は微睡みに耐えられず眠りに落ちていった・・・


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



朝、朝食のベーグルが運ばれてくる音で目が覚めた。


焼きたてのいい匂いが鼻腔をくすぐり眠たい目を起こしていく。


「ふあ・・・いい匂いだ。」


「おはようございます陛下。朝食の御時間です。」


メルバが熱々のお茶を淹れてくれたので一口飲む。


うん、美味い。


「メルバ、今日の予定は?」


「今日の御予定は御公務の準備と各務担当の御挨拶があります。」


「そっか。早めに着替えて行こう。」


「いえ、余裕を持たせてありますのでごゆっくりどうぞ。」


そうか、じゃあ甘えることにしよう。


せかせかしても良いことは無い。


余裕を持って始めることが大事だ。


ベーグル美味しい


「メルバ、各務担当ってどんな人達なの?」


「一人は昨日ご紹介したアフリールですが、他3人は水牛魔人(ミノタウルス)沼蛇魔女(ラーミア)樹木精霊(アルラウネ)です。」


「なんとなく姿は想像できる・・・」


「でしたら問題は無いかと。」


「そっか。」


「執務室での御紹介となるのでそのように御願い致します。」


「わかった。」


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



朝食美味しかった。


着替えようとしたら悪魔メイド達によって用意された服に着替える。


昨日は無かったのに今日はどうしてと思ったら裁縫士達が一晩でやったらしい。


下着ももともと着ていた物を見て似たようなものが作られていた。


「ぴったりだ・・・」


「裁縫士達の賜物です。」


着替えた後、メルバに連れられ執務室に向かう。


到着すると中には既に四人、集まっていた。


四人は俺が入ると姿勢を正し道を開けてくれていた。


「陛下おはようございます。」


「「「おはようございます」」」


「う、うんおはよう。」


あまりの気迫に気圧されてしまった。


なんとか椅子に座るとメルバが紹介してくれた。


「陛下、御紹介します。右から内務担当のアフリール、外務担当のジオグレータ、財務担当のフスフル、軍務担当のエクサイルです。」


「おはようございます陛下、先んじてお会い出来て光栄です。内務担当、純正悪魔(ピュアデビル)のアフリールです。よろしく御願い致します。」


アフリールは昨日会った、スーツっぽい服を着こなす金髪の眼鏡美人だ。背中にはコウモリのような翼と尻尾が見える。


「初めまして陛下、外務担当沼蛇魔女(ラーミア)のジオグレータです。よろしく御願い致します。」


沼蛇魔女(ラーミア)というだけあって青色の鱗に覆われた蛇の下半身を持つ、黒髪ロングのジオグレータ.美人系だ。

「初めまして、財務担当水牛魔人(ミノタウルス)のフスフルです。」


身長2mくらいありそうな長身美人さんは眼鏡で頭に大きな水牛のような角があり髪を後ろで束ねてポニーテールにしている。かわいい系だ。


「初めまして陛下、樹木精霊(アルラウネ)のエクサイルです。軍務を担当しております。」


頭に大きな水色の花が咲いている、おっとりお姉さんのようなエクサイル。かわいい系のお姉さん。


四人次々に紹介されたがそれぞれ特徴があるので覚えるのは楽そうだ。


「俺はジュンイチ、よろしくな。はーそれにしても美人揃いなんだね・・・」


「よろしく御願い致します!ふふっ陛下はお上手ですね。」


「む・・・」


エクサイルが照れている横でメルバがむくれているが見なかったことにする。


ちょっとめんどくさそうと思ってしまった。


「んんっ!陛下、それでは明日からの御公務について御説明致します。」


メルバが指を鳴らすと机の上に書類の束が現れた。


これも魔法か。


「陛下はまだ字が読めないとのことでしたので判を押すだけで良いものを選びました。書類の内容に関しましては御説明が必要なものはこちらでやります。陛下は判を押していただくだけで大丈夫です。」


判子を押すだけで良いのか。


それはそれで楽だが、結構な量の書類の数だ。


「これだけの量溜まってしまったのは、その、国王不在の期間が長かったためでして・・・判を押すだけの書類でもまだまだあります・・・」


アフリールが追加の書類の束を手に持っている・・・そうかまだあるか。


そりゃそうだよな国王不在の期間はそれなりにあったようだし。


「こちらもですね・・・」


「こっちも・・・」


「・・・」


ジオグレータ、フスフル、エクサイルも同じように書類を抱えている。


まじか。


「陛下、幸いこれらの書類は国王不在の時にも提出されるものなので期日には余裕があります。なので明日から、となっています。」


「いや、この量は捌ける自信ないよ。出来ることは今日からやろうよ今日から。」


「左様ですか・・・でしたら陛下、机の右、一番下の引き出しを開けてください。そこに決裁用の判子が入っています。」


右の一番下ね・・・


取手に手をかけると一瞬青白い炎が燃え上がった。


「うわっ」


「あ、それは防犯用の魔法ですので問題ありませんよ。」


「そうなの。びっくりしたぁ。」


引き出しを開けた中には手のひらくらいのサイズの四角い金色の判子が入っていた。


なかなかかっこいい。


「どれ・・・じゃあやるかぁ!」




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