説明回なんだが???2
執務室でお茶を楽しんでいると不意にドアがノックされた。
「メルバ、私だ。」
「アフリール?どうぞ。」
「失礼する。」
入って来たのはメイド服とは違うスーツのような服を着て丸眼鏡をした短い金髪の悪魔だった。
いかにも出来る女という感じだ。誰だろう・・・
「陛下、ご挨拶させてください。私はソビエルツキーの内務担当のアフリールです。どうぞよろしくお願い致します。」
「陛下、アフリールはこの国の内務を背負う純正悪魔です。御公務を始められる日にご紹介をと考えていましたが・・・」
「いや、いいよ大丈夫。俺はジュンイチ、よろしくアフリール。」
「して陛下、しばらくメルバをお借りしてもよろしいでしょうか。陛下の御公務の準備を、と思いまして・・・」
「わかった。メルバよろしく。」
「かしこまりました。」
メルバはお茶のおかわりを淹れてくれた後アフリールに着いていった。
一人になってしまったなぁ。急に心細く感じる。
「そうだ。コミカ!」
コミカの名を呼ぶとすぐに机の前に天井からコミカが現れた。
やっぱりどうなってるんだろう。
「およびですか陛下。」
「コミカにも聞きたいことがあるんだ。いいかな?」
「にゃあにわかることであれば、にゃあ。」
「それじゃあ、コミカは前の王様のことどれぐらい知ってる?」
「前の国王陛下ですかにゃ?にゃあ、にゃあは修行中の身だったのでそれほどくわしく知らないですにゃあ。でも角が立派な王様でしたにゃあ。」
「角!?」
前の王様は角があったのか。
どうやら人間ばかりが選ばれるようじゃないらしい。
「前の国王も男の人だったの?」
「にゃあ、前の国王陛下は女王だったにゃあ。」
「女王だったのか。すると男の王様って珍しいのかな。」
「にゃあ、にゃあは前の陛下しか知らないのでわかりかねますにゃ。」
「そっか・・・あとさ・・・つい気になったんだけど・・・」
「にゃあ?」
「この王城って女性しか働いてないの?」
「にゃあ女性しかいないからですにゃ。」
「ちょっと待って女性しかいない?」
どういうことなんだろう。
女性しかいないなら繁栄出来るわけがない。
「この魔界には女性しかおりませんにゃ。」
「ちょっと待ってそれならどうやって繁栄してるの?」
「盟約で増えたり・・・調達したりですかにゃあ。うん。にゃあ。」
はぐらかされた。これはあまり突っ込まない方がいいらしい。
やめておこう。
「そ、そうなんだ・・・」
「にゃあ。」
「そ、そうだ猫魔ってどれくらいいるの?」
「にゃあ猫魔は猫魔の里があってそこで暮らしてますにゃあ。そこそこの数が住んでいますにゃ。その中でも隠密系のスキルを持つ者が陛下や貴族の隠密になれますにゃ。名誉なことですにゃあ。」
「そうなんだ。」
「じゃあ今も修行してる猫魔がいるんだ。」
「はいですにゃ。」
「すまない後一つ聞きたいことなんだけど・・・」
「なんですかにゃ?」
「初対面の人にレアリティとか聞くのって失礼になったりするのかなぁ・・・」
「うーんそうですにゃあ・・・あまり勧められたことではないですにゃあ。でも陛下は王様なので問題はありませんにゃ。」
「やっぱりそうか。ありがとう。また聞きたいことがあったら呼ぶね。」
「了解しましたにゃ。それでは。にゃあ。」
しゅばっとコミカが消える、いったいどこに潜んでいるのかまったく検討がつかない。優秀なんだろうなぁ。
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「陛下、お待たせしました。」
お茶を飲み干し、少しぼんやりしているとメルバが戻ってきた。
アフリールの姿は無い。
「陛下、明日にも内務担当以外の外務、財務、軍務担当の者をご紹介しますので、よろしくお願い致します。」
「わかった。」
「陛下はこの後どうなされますか?御夕食まで少し御時間がありますが・・・」
「そうだな・・・少し話相手になってくれない?やっぱりまだもう少し聞きたいことがあってね。」
「かしこまりました。それではそのように。」
その後メルバと質問と談笑をして夕食まで時間を潰した。
夕食は美味しかった。