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パレードではしゃぐんだが???

お待たせしました

俺は手を振っている。今日はパレード当日。朝から走駆動馬(バリキオン)の駆る馬車に乗り国民達に手を振り続けている。


「(思ったより馬車の進みが遅い・・・)」


多種多様な種族のいる国民の姿に驚きつつもパレードは順調に進んでいく。馬車はゆっくりと大きな街道を進む。そしてメルバの指示の元あちこちに手を振り撒いていく。


「(陛下・・・次はあちらに)」


「(わかった・・・)」


これはいつまでかかるんだろう・・・そう感じながら俺は手を振って行くのであった。


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



俺は緊張していた。明日のパレードにではない。


「陛下ぁ♡大浴場使ってくれてとぉーっても嬉しいですぅ♡」


「精一杯頑張りまぁす♡」


大浴場を使うことになったのだ・・・メルバ曰く大事なパレードなので体を徹底的に清めて欲しいからとのことだった。


「よ、よろしく」


「はぁい♡綺麗にしちゃいますよぉ♡」


「うふふ♡」


心配だ・・・俺はとって食われるんじゃなかろうか。サキュバスのアミタとカミタは嬉しそうに手を擦り合わせている。不安だ・・・


「陛下ぁ♡御着替え、お手伝いしますねぇ♡」


「ひぇっ・・・大丈夫、大丈夫だから・・・」


「陛下ぁ御仕事取らないでくださぁい・・・」


「お手伝いしないとお城にいられませぇん」


「わ、わかったから・・・着替えは自分でするっ!」


「「ちぇー・・・」」


そして俺は一糸纏わぬ姿となり腰にタオルを巻いた。後ろから眺められていて非常に居づらかった。


「それでは陛下ぁ♡まずはお身体を洗いますねぇ♡」


「動かないでくださぁい♡」


浴場に入り、俺は覚悟を決めた。ここからはアミタとカミタの手のひらの上だろう・・・


「ごしごし♡」


「流しますねぇ♡」


まな板の上の鯉・・・とは言うが2人は普通だった。余計な所に手を伸ばして来る気配は無し。体を丁寧に洗ってくれている。


「はぁい♡お身体流し終えましたよぉ。」


「次は頭を洗いますねぇ・・・♡」


もちろん大事な所は自分で洗った。それでも・・・


「ごしごし♡」


「ごぉしごし♡」


丁寧に洗われている。サキュバスとか関係無しに。よってたかって卵肌にされている。語尾にはーとが付いていそうな2人とは裏腹にとにかく普通だった。


「流しまぁす。」


「じゃばー♡」


頭を洗い流され、湯冷めしないように体にもお湯をかけられていく。いや、普通に気持ちよかった。


「流し終えましたよぉ。」


「うん・・・ありがとう、その、気持ちよかった。」


「やぁん♡陛下ぁそれだとなんか意味深ですよぉ♡」


「うふふ♡それは良かったでぇす♡」


「え、いや・・・その・・・」


「さぁさぁ陛下、お身体が冷えないうちにお湯に浸かってくださぁい。」


「私たちは外でお待ちしてまぁす♡」


「うん・・・わかった・・・」


俺はお湯に浸かりながら考える。なんというか杞憂だったな・・・


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



「陛下、おはようございます。」


「うん、おはよう。」


朝食を運んできたメルバに挨拶をしつつベッドから身を起こす。最近起きる時間が一定のような気がして体調も良くなった気がする。今日の朝食はいつものベーグルとサラダ、小さな肉にコンソメスープっぽいものとなっている。


「いただきます。」


メルバ達には最初不思議がられていたが故郷の食前の祈りだと説明してあっていただきますの挨拶に困惑するものはもういない。ぽそぽそとベーグルに齧り付きながらメルバと今日の予定の確認をする。


「陛下、本日はパレード本番の日となっております。御予定もそのようになっています。」


「うんわかった。頑張るよ。」


「はい。我々も全力を尽くしますので・・・」


パレードとはいえ街に出るのは初めてだ。ちょっと楽しみな面もある。


「ごちそうさま。」


パレードなので様相は違うかもしれないがどんな街なのだろうか。以前前門から見た景色だと大きく発展していた。国民達の姿もあるだろう。様々な種族がいるとのことなのでそれも楽しみだ。


「陛下。御召し物の準備を致しますので付いて来ていただけますか?」


「わかった。」


メルバに付いていくと衣装部屋と思しき場所へ案内された。中は様々なシチュエーションに対応出来るような服が取り揃えられていて・・・ん?


「あの・・・メルバ・・・これ全部俺の服なんだよね。」


「はい。そうなります。」


「いつのまにこんな量を・・・?」


「裁縫師達の賜物です。」


すごいな裁縫師。俺が来てから数日しか経ってないのにこの量を・・・


「うーん今日はこちらを・・・いえこっちも・・・」


メルバがうんうんと唸りながら服を選んでいる。壁に架かっていた豪奢なマントと王冠、杖を手に取ったのを見るからそれは確定衣装なのだろう。


「陛下、こちらをお召しになっていただけますか?」


「わかった。」


メルバに手伝ってもらい服に腕を通す。メルバが用意したのは薄緑色のシャツと紺色のズボンだった。良し悪しはわからないがメルバが唸っていることから何かが噛み合わないんだろう。


「うーんやはりこちらの方が・・・」


ズボンは流石に恥ずかしいので試着室に入って着替えた。その間もメルバは唸っていたので衣装選びは難航しているらしい。次に持ってきたのは紺色に星空のような模様があしらわれたシャツと白いズボンだった。汚れが目立ちそうだなぁ。


「陛下、次はこちらを。」


「わかった。」


試着室にメルバも入って着て着替えを手伝われる。恥ずかしいがこれが普通なんだろうか・・・


「うん。これですね。」


今度はメルバのお眼鏡に適ったのだろう。うんうんとうなづくメルバ。そしてマントと王冠をつけられ杖を持たされた。重い。


「よし、それじゃあ行こうメルバ。」


「はい、陛下。」


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・




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