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俺とメイドなんだが???

メイド、メイドとは掃除、洗濯、炊事等を行う女性の使用人である。


本来は個人宅で働く住み込みの使用人とのことらしいが王城で働く悪魔メイド達もメイドと呼ばれている。


そんなメイド達なんだが。


「陛下、お茶をお持ちしました。」


「陛下、退屈しないよう肩を按摩させていただきます。」


「陛下、アフリール様から本を預かっております。」


囲まれている。


悪魔メイド達に。


きっかけは専用使用人、相談役をかって出ているメルバの不在からであった。


悪魔メイド達は俺に顔を覚えてもらおうと必死だった。


あらゆる先回りをされ、トイレにも行きづらくなっていたのだ。


ここでみんな邪魔だよ!一人でいいよ!と言えればよいのだがぼっちキャンパーというぼっちの総体制のような俺は言えなかった。


「あ、あの・・・」


「なんでしょうか陛下。」


「なんでもお申し付けください。」


「我々なんでも出来ますので。」


「う、うん・・・」


逃げられない自室の中には5人の悪魔メイド達が頑張っている。何か申し付けて離れさせようとも考えたがそれもそれでかわいそうなので言い出せずにいる。


「(困ったなぁ・・・)」


「・・・なんでもは言い過ぎたかしら。」


「でもなんでもやらないと、せっかくメルバ様がいないのに・・・」


「・・・うぅーん。」


「陛下のお世話したい・・・」


「甘やかしたい・・・」


ひそひそと何か相談しているが何を話し合っているのだろうか。


まぁ悪魔メイド達にしかわからないことなのだろう。


俺はアフリールの紹介された本を読むことにした。


「・・・あの・・・から・・・」


本を読んでも日本語への変換に困ると思ったが不思議なことに翻訳せずとも脳内で日本語に変換できているのだ。


召喚時の特典なんだろうか・・・よくわからないがメルバも召喚時に寿命が伸びたりとか言っていたし、こっちに来てから会話も出来ているので文字習得し易くなる特典、そう思う事にした。


俺は独り言のようにぶつぶつと呟きながら文字を覚えるために読む。


「はぁ・・・陛下なんと愛おしいのでしょう・・・」


「しっ!陛下の読書をお邪魔してはいけませんよ。」


「呼ばれるまで黙りなさい!」


「陛下、文字をお読みにならないと聞いていましたが・・・」


「無事お読みになられているようですわね。」


聞こえてる。聞こえてるから。やっぱり何か手伝ってもらう方が良いのだろうか。


「あ、あの・・・」


「はいっ!何でしょう陛下!」


「この本を読みながら文字教えてくれないかな・・・」


「はいっ!お任せを!」


「ちょっと貴方ひとりだけじゃないでしょ!」


「お茶のおかわりをお淹れしますね。」


「みんなでやれば良いのよ!出来るでしょ!?」


「チィッ!仕方がありませんね・・・」


舌打ち怖い。


俺は悪魔メイド達に字を教わりながら本を読んだ。


本の内容は騎士物語で読みやすかった。


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



「陛下、ただいま戻りました」


「メルバ!」


夕方、夕食前あたりにメルバが戻ってきた。


助かる!悪魔メイド達に囲われていてちょっと疲れていたところだ。


ちなみに文字の勉強はそこそこ進んだとりあえずアフリールに教えてもらった本はなんとか読めるようになった。


「メルバ、どう?書類は進んだ?」


「はい、数日後にはパレードが決行出来そうです。」


パレードからは逃げられないとわかってからは落ち着いたものだ。


メルバは少し疲れているようだが問題なさそうだ。


メルバが悪魔メイド達に礼を言ったら悪魔メイド達は出ていった。


「陛下、御夕食はいかがなさいますか?」


「食堂で食べようかな・・・」


「かしこまりました。ではそのように。」


メルバに連れられて食堂へ向かう。


「どうでしたか。悪魔メイド達は失礼なことしませんでしたでしょうか。」


「大丈夫だよ。文字も教えてもらったし。」


「そうでしたか・・・明日は如何なされますか?」


「うーん特に決めてないかな。勉強出来たらいいかなくらい。」


「かしこまりました。それでは明日は通常通り公務をお願い致します。」


明日の予定を確認し、食堂に入るとアウローラが待っていた。


食堂は夕飯の良い匂いが充満しており、空腹を更に刺激した。


「陛下ぁ〜待ってたよぉ〜」


「アウローラ、今日の夕食は何?」


「今日はお肉だよぉ〜丹精込めたよぉ」


「楽しみだ。よろしくね。」


「ガッテン承知ぃ〜」


・・・・・・


・・・・・


・・・・


・・・


・・



夕食、美味しかった。


夕食の後は自室に戻ってまた本を読む。


「陛下、その本どうなさったのですか?」


「これ?アフリールオススメの本だよ。文字を読む練習のためだね。」


「なるほど・・・それでしたら私の方からも本をご紹介させてもらえませんか?」


「いいよ。読書はどれだけしても良いしね。」


「ありがとうございます。近日中にお渡ししますね。」


「わかった」


アフリールから紹介された本は王道な感じの騎士物語だった。


メルバはどんな本を紹介してくれるのだろうか。


楽しみだ。



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