2話 死んだ後の世界
毎週土曜もしくは日曜投稿に投稿するかもしれない
「あなたも初対面ながら失礼ですね」
「あ、ごめんなさい」
筋骨隆々の男は俺に対してとても優しい目で笑ってくる。
この訳のわからない世界と人物とか、頭がパンクしてしまう程に疑問に思うことはあるが、まずはこの人物に告げられた一番気になることを聞いてみる。
「えっと・・・死んだってのは。」
彼は笑顔を止めて、すこし真剣な表情で答える
「ええ、クドウカズト。あなたはトラックに轢かれて死んでしまいました。」
そういうと、彼は左手に持っていた広辞苑にも似た大きさの本を少し俺にかざして見せてくる。
その大きな赤い本は彼が何もせずとも、一人でにページが捲られていく。
その本の奇妙さに目を向けていると、その本は、とあるページで止まった。
「この本には、ごく最近に死んだ人達の名前が記されています。」
本の紙には、書かれていない面のほうが少ないほどに、ぎっちりと、様々な名前が綴られていた。
国関係なく様々な言語で書かれていた名前の人物たちは、なぜか、もうこの世にいないような気がする。
不思議な感覚に囚われつつも、書かれている名前を、眺めるように見ていると、
「・・・あ」
宮藤和斗
俺の名前が、そこにあった。
「あちらを見てください」
男が指をさした方向を見る。
そこには、トラックに轢かれた後の光景が映し出されていた。
救急車に運ばれてはいるが、きっと息を引き取った後なのだろう
そこにいる人達全員、悲しい顔をしていた。
「あぁー、本当に死んだんですね」
「・・・結構、楽観視していますね。」
意外そうに、男は俺に言う
「キャンパスライフとか、夢見ていたんじゃないんですか?」
「いや、まぁ、そうなんですけど、誰かを助けるために死ねたのなら、本望かなーって」
「・・・そうですか。」
「それで死んだってことは、この世界ってのは、アレなんでしょう?」
俺が死んだ。だが、今ここに自分がいて、この世界がある。
そういうことは、この世界は
「そうです。」
「私は第43番線現世担当の使徒、フェリウス」
「死後の世界へようこそ」
どうしたら誰かに読んでくれるだろうか・・・