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疑問1つめ★

「人って、大人になって行けば行くほど、

変わっていくものなのかなぁ…」


誰もいない屋上で冷たい風を感じながら


ふと浮かんだ疑問をつい口に出して、空を眺めながら僕は言った。


「そんなこと言ったら、金でだって人は変わるわ。」


何処からか聞こえた声の主は、微かに微笑みを見せながら、軽く言った。


目の前の少女は、制服のスカートの裾を冷たい風になびかせていた。


「…僕はそんなことない。」


うつむいて僕は小さい声で、少女に聞こえるように言った。


「そんなの、その時になってからでないと分かるわけないじゃない。

もちろん、

あんたでもね。」


意地悪っぽい笑顔を、僕に見せ付けるように、少女は僕の瞳を真っ直ぐ見つめていた。


僕は、少女の瞳を見つめ返そうとうつむいていた顔をあげた。


そして、言う前に屋上のドアが開いた。


「あれ?嶋館?何一人で突っ立ってんだ?」


一人の少年が、ぼく―嶋館を見つめていってきた。


どうやら、僕の目の前にいる少女が、こいつには見えないらしい。


そう。見えないのだ。


だって、少女は幽霊なのだから。


僕は、霊感とかないが、何故か少女は見える。


これは、きっと必然だろう。


そんな少女は、長い茶髪の髪を揺らしながら、少年の目の前に立って無邪気に笑って見せた。


それでも少年はびくともせずに僕をみつめていた。


僕は、少年にまとわりつく少女を少しの間見てから少年に向きなおい言った。


「…ちょっとね。屋上が好きだから。」


苦笑をしてみせ、僕はフェンスに寄りかかった。


あっそ、というように、少年は首を傾げて見せた。


「そうそう、山都が呼んでたぞ?」


少年の一言に、僕は少年に勢い良く向きなおした。


「どこで?!」僕の迫力のある声が、少年の聴覚を奪うかのように少年は強く耳を抑えていた。


「きょ、教室だよ。お前、あんまり山都に近づかないほうが身のためだぜ?」


あまりにも僕の声が大きかったのか、少年はまだ耳を押さえつけたままだった。


「身のため?なんで。」


少年の言葉に疑問を抱いた僕は、少年に問いかけた。


その問いかけが何かおかしいのか、少年は目を真ん丸くして僕を見つめた。


「なんでってお前―…」


少年の言葉の続きを待ったが、その途中で屋上のトビラが鈍った音をたてて開いたのに気がついた。


「!早月!!」身を乗り出した僕は、目の前にいる親友の名を呼んだ。


山都早月は僕の親友。とても仲が良い。


「なんだ、早月か。意外とくるのが早かったな。」


何故か少女は一人で語っていた。


「あ…ここにいたんだ、馨。」


僕の名前を呼んで、早月は僕のほうに駆け寄った。


そのときに、少年が微かに早月を避けたことには気づきもしなかったが。


「山都ぉ〜。一つだけ言っておくぜ?


お前が嶋館に近づけば近づくほど、嶋館の身も、危なくなってくるからなぁ〜♪」


少年は、不気味な微笑みを見せ付けながら、屋上を去っていった。


少年の言葉を聞いた瞬間の早月の表情を、僕は見ることはできなかった。


少女は、気づいていたみたいだけど。

 

「嗚呼〜…暇ぁ〜…まったく、あんたが誰かといると、


あたしがすること、なくなっちゃうのよね〜。」


フェンスに座るという、今にも落ちそうな体勢をしている少女から目をそらしながら、僕は早月と話していた。


(なぜに、ああ を漢字にしているのかは謎だけど。

 

「早月、最近元気ないね…。」


地べたに座りながら僕は寂しい笑顔を早月に向かってみせる。


早月は僕といるときはいつも笑顔を見せてくれるけど


一人でいるときはなんだか寂しそうで、そのいまが早月はとても無理をしている笑顔に見えた。


「え…?そ、そんなことないよ…。」


早月はすばやく僕のとの目線を外した。


僕は、あまり他人と関わったことがないから、相手が寂しい表情をしているとき、自分がどうすれば良いのかがわからなかった。


早月、無理しなくて良いからね。


そんな言葉が、僕のこの口からは出ることがなかった。


そんな優しい言葉が、出てきてくれれば、嬉しかった。


でも、僕が口にしたのは「そっか。」その一言だった。


もしかしたら、一つの言葉で悩む人なんていないのかもしれない。


でも、僕は悩んでいた。


だって、もし早月を傷つけてしまったら、僕のそばに早月はいなくなる。


離れていく。


それが嫌だから、とても悲しいから、僕は早月を大切にしたいから。


早月は話を変えようと、空を見上げてこう言った。


「僕は、いつかこの空のようにみんなを見守っていたいなぁ〜。」


そうつぶやいた早月の言葉に、僕は聞こえないように唾をごくりと飲み込んだ。


この空のように…?この果てのない空を、早月は望んでいるのか?


僕はうつむいて、垂れてくる髪で驚いている表情を隠した。


なんで、早月がそんなこと言うのかが、分からなかった。


何故か、嫌に背筋が凍った気がした。

 

僕らは、ただぼんやりと、僕らを包み込んでる大空を見ていた。


ずっと、こういう風に、過ごしていきたいと思った。



あの日、までは…

 


この小説は、私が小学生ぐらいのころ書いたものなので、あまり期待しないほうがよろしいですよ。

それでも良いと思ってくれると

やはりうれしいです。

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