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ベンツの彼女
そこに立っていたのは女の子である。
若いな。同い年か。
「私のベンツ C 63 AMGになにしようとしてたのよ。」
「いや、カッコイイなー、て。」
「で、あそこにあるのはあんたの車?
今夜ここで待っているわ。そこでハッキリさせましょ。」
「え、なにをハッキリさせるんだよ。」
彼女はエンジンをかけ、この場から走り去ってしまった。
走り屋ってカンジじゃないんだよな。
「もー、なんであいつは来ないのよ。予定があるなら言っておけばいいのに。」
彼女は夜明けまで待ち続けた。が、彼は来なかった。だが、彼女は通い続けた。
そして三日目の夜。日付けが変わって1時間がたち、彼女はあきらめて帰ろうとしていた。




