五羽・勘違いは大変迷惑なのでお止めください
段々更新速度が遅くなってる気がするがそんなことは知らない(‘‘)
では、五羽です。
「しかし、まいったなぁ。ここまで何も起きないとはなぁ」
そう言って苦笑いを浮かべながら頭を書く亮也。
当たり前だろ、そんな超常現象がホイホイと身近で起こってたまるかってんだ
・・・まぁ、人間からしたら一応鴉天狗である俺の存在の方が超常現象やら怪異なんだろうがな
「何言ってんだ?何も起きねぇのが普通だろ?」
俺と同じ疑問を抱いたのか、川口が亮也に不思議そうに言う。
「いやさ、一組ぐらい先生に見つかって説教くらうかなと思ったんだけどなぁ。おかしいなー」
そう言って朗らかに笑う亮也。
そして、その言葉を聞き、俺は亮也を除いた他の三人に目線で合図を送る。
(あいつを殺・ら・な・い・か?)
気持ちが良いぐらいに同時にそして瞬時に目線が三人から帰ってくる。
・・・よし。さぁ、祭の始まりだ
☆
「ちっ、物足りねぇぜ」
「え?物足りないって何?俺、全身がまんべんなく痛いんだけど。」
横で亮也が喚く。
・・・うるさいな。口を開けば殴られるんだから黙っとけばいいのに。
ちなみに、さっき緊急に開催された祭は先生が近付く足音で急遽閉幕になってしまった。誰か物足りないって呟いたのもそのせいだろう。ちなみに女子は呆れた目をして俺らの祭を見学してた。
「亮也が全身痛いとか知らないしどうでもいいんだけど」
「畑、知らないじゃねぇよ。お前も加害者だからな」
「・・・亮也、もうそのくだりは終わったから。で、開かず間に突撃するんだよね、行くなら早く行かない?」
「いやいやいや、終わったで流すなよ・・・まぁ、いいんだけどさぁ、よしっ女子も暇そうだしさっさと突撃しますか」
<<<<おおーー>>>>
声量は小さく、しかし全員が元気よく返事をする。全くノリはいいよな。このメンバー
☆
<<・・・・・・>>
開かずの扉の前に訪れた九郎や残りのメンバーに沈黙の時間が訪れる。しかし、その沈黙は自然に静かになったというよりも強制的に黙らされたようなものだろう。
何故なら、確かに幽かにであるが扉の奥が光っており、中から何かがいる確かな気配が感じ取られた。
しかし、誰一人として動きもしないし、喋りもしない。
いや、動けないのだ。
全員が体を動かそうとしても動けない
喋ろうとしても口が動かない
それはまるで、金縛りにあったかのようにその気配は全員をその場に押し留めた。
この程度の力ならたいした妖怪でもないや。
九郎は金縛りの強度から瞬時にそう悟る。
・・・まぁ、俺自身は金縛りから抜け出せないこともないけど、出来ればみんなに怪しまれるようなことはしたくない。ならば目に見えた危険が迫るまでは固まっておくのも悪くないだろう。どうせそのうち解けるだろう、
あと、10分もすればね・・・
しかし、九郎の憶測は外れ、その金縛りはすぐに解かれることになる。
「コラァァ!!お前たちこんな時間に学校で何してる!もう9時まえだぞぉぉ!!」
うるさい体育教師の登場と引き換えに
この瞬間、恐怖の金縛り体験は恐怖の鬼ごっこと変化した
九郎は金縛りが解けたと感じた瞬間、陸上選手もびっくりのスタートダッシュを決めて体育教師が逃げ出す。
九郎の他にも三人ほど金縛りが解けたと気付いたのか、いち早く九郎と同じく体育教師が走って来た方向とは逆の方向へ走り出す
そして、他のみんなも九郎達が走り出したのを見て金縛りが解けたのに気付いたのか、九郎達が逃げている方へ走り出した。
しかし、スタートダッシュに遅れた者の大半はすぐに、体育教師に捕まってしまうこととなる。
あ、亮也が転けた。
それが九郎が曲がり角を曲がる前にみんなの方を見た最後の光景だった。
―――――――――――――――
「何故、貴方様方ほどの御方がたが、こんなところで何をしているのでしょうか?」
背中に鴉の翼ようなものを生やした男が窓から部屋へ入るなり酒を飲んでいる者達にそう訊ねる。
「おう、新聞の兄ちゃんか。何って?見ればわかるだろ?宴会だよ、宴会」
そういい、鬼の角が生えた者は手に持っている一升瓶を男に強調するように振って見せた
三人で宴会と呼べるのかと男は思ったが、男も命は惜しいので口には出さなかった。
「はぁ、それは見れば分かりますが。何故こんなところで?」
「ここが、ゆっくり酒を飲める良い飲み場だからとかしか言いようがないねぇ」
しみじみとした顔で鬼の角が生えた者は答える
「で、若造よ。この事を記事にするのかね?するなら黙っちゃ置けないが、どうする」
先程の鬼の角が生えた者の隣に座っている、顔が赤く鼻が異様に高い者がドスを聞かせた声で男に訊ねる
「いやいや、私も命が惜しいので書きませんよ。
・・・息子にも被害が及びそうですしね」
ここにいる妖怪は名が高く、このものたちと力比べをしようと挑む馬鹿も多い。もし、ここで酒を呑んでいることがバレようものなら、この付近は妖怪が多発する場所と成りうるだろう。
「ガハッハッハッ、そいつは、賢明な判断だ。
・・・しかし、そうかそうか、お主の息子はこの学校の者か・・・」
至極愉快そうに三人の人ならざる者が笑う。
その光景に男の背筋に薄ら寒いものがはしる
すまない息子よ、幸運を祈る。
「して、鴉天狗よ」
今まで、黙っていた狐の尾が沢山生えた者がようやく口を開いた
「なぜ、袖がボロボロなのじゃ?」
「ええっと、少し鉛玉の嵐に遭いまして・・・」
「そんなことはどうでもよい、せっかくだ、お主も参加じゃ参加」
そう言って、鬼の角が生えた者が男を座らせようとする。
「いえいえ、そんな。私には恐れ多いです。それに、私には妻が待っておりますので」
「若造よ、儂達と酒が呑めんと言うのか?」
「参加した方が身のためじゃぞ」
男は断ろうとしたが断れない雰囲気になり
「分かりました、この鴉天狗。お付き合いさせていただきます」
男は酒を呑むことにした
「おう、そうこなくっちゃな」
「ほら呑め呑め」
「諦めは肝心じゃな」
「ハイペース過ぎませんっ!?」
こうして夜は更けていく
―――――――――――――――
[翌日]
あー、昨日は危なかった。危うく捕まるとこだった。
これに懲りて、亮也ももう少し自重してくれたらいいんだが、無理だろうなぁ
九郎は、はぁと溜め息をつきながら教室の扉を開けた。
いつも九郎は早く来ているので、そこにはいつもの如く誰もいないものだと思っていた
しかし、
バシンッ!!(九郎が素早く扉を閉める音)
嘘・・・だろ?
そこには、昨日七不思議を調べに行ったメンバーの半数ほどが正座で椅子の上に座らされていた・・・ような気がした。
何故、正座で椅子の上?とか気になることはあるがたぶん見間違いに違いない、うんそうだ。
「さーて、トイレに行こうかな?」
九郎はもう一度、教室の扉を開こうとせず。トイレに逃げ込もうとしたが、何かに袖を掴まれていて動けなかった。
九郎が掴んでいる者の正体を確認しようと振り返ると、
そこには・・・
<<一名ご案内でーす>>
正座していた奴等全員が九郎の掴んでいた。
☆
[放課後]
「あー、今日は酷い目に遭ったー」
あの後、九郎達はまだ来ていなかった奴も含めて説教を食らった。
「お前が有川九郎か?」
九郎の前に現れる三人組の男たち
「ん?そうだが何か?」
「我々は会員No.7254有川九郎、貴殿が光ヶ峰様と密会していていた情報を入手している」
入手しているじゃねーよ、密会なんかした覚えねえよ。そもそも会員になった覚えないんだけど。
「会員規約第二条・第三条違反により我々は貴殿をdieします」
九郎はいつの間にか三人組の手に握られていた金属バットを見るや否や、すぐさま教室から逃げ出した。
「いかん抹殺対象が逃げ出したぞ、追え!追うんだ皆の衆」
<<イェッサァァーー!!>>
「もうなんなんだよぉぉーー!」
九郎の叫びは追いかけているものどもの怒号のなかに消えた