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四羽・不思議なことは大抵が気のせい

テストが派手に散ってテンション下がり気味の作者です。


このままじゃ、電子機器全部とられる(゜△゜)



・・・では、四羽です。

「行ったか?」



「みたいだね」



俺と光ヶ峰は今、三階の物理実験室前にある置物の裏にいます。


ちなみにここまで来るのに見回りの先生に三度見つかりかけた。はぁ、もう帰りてぇ・・・


・・・いやまぁ、隠れるために狭い場所で二人っきりになるのは嬉しいけども。


それにしても俺、この学校の七不思議なんて知らないんだけど。



「なぁ、光ヶ峰。お前この学校の七不思議って知っているか?」



「ううん。知らないよ。九郎が知っているんでしょ」



「知っていたら、お前に聞かねぇよ・・・」



「え゛・・・」



これからどうしようか。いっそ帰っちまおうかな



「ところでさぁ九郎君。その紙なんなの?」



光ヶ峰は九郎の手にずっと握られている小さく折り畳まれた紙を小さく指差す。



忘れてた。行く前に亮也に渡されてたんだが、一体なんだこれは?



九郎は小さく折り畳まれた紙を丁寧に拡げ、隣にいる光ヶ峰とともに覗きこんだ。



『九郎がこのメモを読んでいるということは、七不思議探しに行き詰まったね?そんな可哀想な九郎君(笑)にこの七不思議の探求者こと北野亮也様から救いの手を差し伸べてあげよう』



ビリッ(九郎が軽くメモを千切った音)



「駄目だよ九郎君!落ち着いて!」



・・・あいつに次あったらマジで殴ろう。


取り合えず一回落ち着こう俺。


・・・・・・・・よし、落ち着いた。さぁ、続きを読もうか。



『七不思議の一つ目は四階にある『美術室の怪』と言ってなんでも飾られている石像が動くらしいんだ。これぞ本当のうごくせきぞうってね』



うごくせきぞうってねじゃねぇよ。ドラ○エか!



「うごくせきぞう・・・面白そうじゃないか」



隣からなにか光ヶ峰の呟きが聞こえたが、俺はそんなの聞こえていない。



『二つ目は『明かりのついている開かずの間』と言ってね。九郎も見たことがあるだろう?職員室横の何重にも南京錠で塞がれた扉を』



そういえば、そんな扉あったな。外から中を見ようにもカーテンが閉められてて見えないようになってるしな。



「うごくせきぞう・・・」



光ヶ峰がなにかを訴え掛ける目で俺を見てくるが、俺はそんなの知らない。



『三つ目はといいたいところだが九郎の班は二つで終了だ。まぁ、二つ目の開かずの扉も全員で突撃するから実質一つで終わりだけどね。他の七不思議は他の班が調べているから気にしなくていいよー。というわけで、美術室に行ってらしゃい。終わったら二階の図書室前集合でよろしく』



「九郎君!」



「分かってる。美術室に行こう」



九郎達はさっそく物理実験室の前から美術室への移動を開始した。



         ☆



「というわけで、我々はやっとのこと石像が動くという噂のある美術室へやって来ました。はたして石像が動くという不思議な現象を我々は目にすることができるのかっ!!」



光ヶ峰の独り言で言ってあるように美術室へたどり着いた。先生に途中三回遭遇しかけたけど


てか、なんでこいつこんなテンション上がってるんだ?



「では、突入したいと思います」



そう言って光ヶ峰は扉に手をかけ、一気に開いた。中から少し廊下よりもひんやりした空気が流れこむ。



「うわー、中はとても薄暗いです。」



確かに、暗く手前が見えないな。



「照明係、ライト照して」



そう言って、多分石像がある方向を指差しながら九郎の顔を見る光ヶ峰。



どうやら俺、照明係らしい



九郎は言われた通り、鞄から懐中電灯を取り出して、電源をつけた。



「眩しっ!九郎君こっちにむけないでよ」



「悪い悪い、わざとじゃないんだ」



たまたま、点けたら。そうなってしまっただけだ。



懐中電灯の明かりを頼りに石像のもとに近寄る俺と光ヶ峰。



「これが石像みたいですね。はたして、この石像は動き出すのか」



「なに?動き出して欲しいの?光ヶ峰は」



「うーん、動き出して欲しいのと、動き出されると困るってのが半々ってところかな」



ちなみに、俺は動くな!が100%だがな



「・・・・・・」




「・・・・・・」



「・・・・・・」



「・・・・・・」



九郎と光ヶ峰と石像のなかに沈黙が訪れる。二人は5分ぐらいずっと石像を見詰めているが、いまだに石像が動き出す気配は無かった。



「・・・動かないね」



「まぁ、動くわけないだろうな」



「だよね・・・もう行こっか」



何事にも諦めが肝心だしな。第一、石像が動くわけ無いしな。



「えーと、結果は気のせいでいいか?」



「いいんじゃないかな」



じゃあ、気のせいっと。



「じゃあ、出るよー」



「おう、俺も出るわ」



俺は、美術室からでて美術室の扉に手をかけた。しかし、そこで俺はあることに非常に残念なことに気付いてしまった。



・・・石像の目が光ってる気がする。というか光ってるんだけど。



「どうしたの?九郎君」



「・・・あぁ、いや。なんでもない」



九郎は美術室の扉を静かになおかつ素早く閉めた。



俺は何も見ていないし、石像の目が光っているのにも気付いていないし、俺は何も知らない・・・



         ☆



「遅いぜー二人とも」



亮也が俺達を見て手を振りながら文句を垂れる



九郎達が図書室の前にやって来た時には他のグループ全員が集まっていた。



「ごめんねー案外時間かかっちゃてね」



「亮也ここであったが百年目」



「は?なにいっふぐっ・・・」



光ヶ峰がみんなに謝り、俺が亮也を成敗する。完璧なコンビネーションだ。



腹を押さえている亮也いいきみだ。



「これで、四発目か・・・」



畑がぼそっとそんなことを口にする。


・・・全グループに殴られてんじゃん。



         ☆



「じゃあ、報告会をしようか」



俺の腹パン(正確に言うと鳩尾パンチ)から復活した亮也がこんなことをいいだした。



そう、言えばそうだな。七不思議一つしか調べてないし。



「じゃあ、九郎・光ヶ峰さんペアからお願い」



「はーい、うちは『美術室の動く石像』についてだったんだけど、結果は動かなかったね。誰かの気のせいじゃないかな」



再度言うが、俺は石像の目が赤く光っていたのなんか見ていない。



「やっぱり?じゃあ、次畑・宮本さんペア」



「僕のとこは『下りと上りで段数が変わる階段』を調べたけど、変わらなかったね。やっぱりうちも気のせいじゃないかなぁ」



「やっぱり?じゃあ、次は・・・」



         ☆



結論から言うと調べた5つとも全部。おかしな部分は無かった。全部の班が気のせいで片付いたんだけど。このままじゃ七不思議じゃなくて、7つの気のせいになりそうだ。



え?石像の目が赤く光っていた件はなんだったんだって?・・・ははっ、ワロス・・・

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