↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ 死に際の執念

 クソ、ビビりやがってトラックの野郎。ここは法治国家だぞ、逃げたって無駄だってのに。


 ――まあ、そう叫べないのは残念だ。肺まできっちり潰していくとは周到だな。


 ぼやけた視界の端に、さっき突き飛ばした少年が映った。すぐ近くでわんわん泣き叫んでいる。


 何だい少年、そんなギャン泣きしてさ。

 大丈夫だって……ちょっと声は出ないけど……。


 身体を苛んでいた耐え難い悪寒も、内側から焼かれるような熱も少しずつ遠のいていく。

 代わりに、妙な心地よさがじわりと全身へ沁み出してきた。


 ……あ、これはヤバい。一歩手前まで来てるかも。


「ぐ……っ!!」


 ダメだ、気を抜いたら終わりだ。ぜ……絶対に意識を手放すな……。


 俺は俺は俺は俺は俺は俺は……

 まだ………!!


「フッ……」

 ……?


「そんなに力まないの。ハゲるわよ、そんなんじゃ」

 ……幻聴? ついにそんなものまで聞こえてきたか。いよいよお迎えとでも言いたのか、ふざけるな……。


 俺はな、死にたくねぇんだよ。まだ……


「ふぅん。やり残したことでもあるの?」

 それは……って、な、なんで会話が成立して……? やっぱいよいよなのか……?


「頑張って、私は応援してるから。その先を、私に――」

 言われなくとも俺は……気合で繋ぎ止めてやる。俺、は……、おれ、は………………



 ――暗転。それでも、意識だけは消えなかった。

 消え入りそうなほどか細くなりながらも、それは闇の底にしぶとくしがみついていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。