099.神龍神聖王国(3)
内政に関しては少し長い取り組みが必要になる。 もちろん一般的には外力への対応も同じく長い取り組みになるのだが、我が国は少し事情が違う。
予定より少し目立ちすぎている。
ひっそりと暮らす毎日を夢見ていたのが、実際にやってみるととんでもなく面倒なことになっている。
“田舎暮らし詐欺” みたいなものだ、もっとも自分で墓穴を掘ったんだけどね。
現在、ラーマとゴーダの案に基づき、周辺の山々の尾根の10箇所に監視所を作って、それぞれ5体の疑似生命体兵士を配備している。一般の兵士も雇い、これも5名づつ配備している。
主な仕事は、侵入者の監視である。異常があれば直ちに通報される。
一般兵士は毎日2名が隣の監視所に向かう、そしてその監視所で1人は2日後、もう1人は3日後に再び次の隣の監視所に向かう。そして半周の後、地上に設置した交代要員待機所に降りて2日休み、待機所に居たもの2名が監視所に登る。 といったローテーションを組んでいる。
一般兵士は尾根の監視、疑似生命体兵士は監視所の守りという役割分担である。
幸い今までは遭難者の救助ぐらいしか役に立っていない。
一般兵士は一応武装している。 野生動物に襲われたり盗賊に襲われる可能性だってある。無防備というわけにはいかない。 武器と言ってもククリ刀とハンドガンだけど、得手不得手があるので各自の判断に任せている、弓矢、ボーガンなどを持つ者も居る。
たまに“狩れた”といって肉を持ってきてくれるのは嬉しい。
有事の時は通報だけして逃げてもらうのを基本にしている。戦うのは疑似生命体の仕事だ。
監視員の仕事は体力的に結構きつい、特に冬は雪が降るので危険だ、そんな時はもちろん安全優先で、監視所に待機になる。食料などの物資は各監視所の麓に設置された小屋から歩荷さんが運ぶ。
この監視所の運営だけでもかなりの雇用が生まれた。バックアップなど支援を含めると200名程になる。
監視員の仕事はレーダーや目視による領空侵犯の監視も行っている。低空飛行で川の上をたどってこられると侵入を許してしまうので、谷戸部分には河川監視署を別途設けて、更に結界を張ってある。
我が国は軍用機の領空航行を認めていない。
もっとも国土が狭いのであっとう間に通り過ぎてしまうのだけど。
周辺国とは仲が悪いわけではないので、未確認航空機などの情報共有する軍事提携をしている。
そんな隣国から緊急通報が入った。 よかった今日は休日で国に滞在している。
何処かの映画みたいに渓谷に沿ってこちらに向かってくる小型機が3機確認されたらしい。
あと30分程度で領空内に入るだろうということだ。
まずい、あそこには結界がある。あそこで衝突爆発されたら、川に被害が出る。 被害が出ると言っても下流の国だけど。
渓谷は国境になっていて、対岸のどちらの国が対応するか決めている間にここに到達してしまうだろう。
こちらも侵入を認めるわけにはいかないので、結界を解く事は無い。
今回はこのままにして、結界の強度確認をする事にした。
しばらくして国境南側の渓谷辺りで、巨大な火柱と煙・・・結界は持ちこたえた様だ。
どん、どん、どどーーん ガタ ガタ ガタ
更にしばらくして衝撃波が来た、どうやら振動は伝わってしまうようだ。
・・そうか音響兵器には効果がないという弱点を知ることが出来た。




