096.ゴーダからの依頼(4)
「君が、イリア・ロスト君か、手配書の写真よりかなりやつれているな、
逃亡生活が長かったのか」
「約1年逃げ回りました」
「過去のことは聞かない、どうせゴーダと似たようなものだろ、
彼を受け入れてお前を受け入れない理由は今のところ無い、
彼が信用出来ると言うなら信用できるのだろう。
だが、信頼できるかどうかはこれからの行いで決まる。
亡命を希望していると聞いたが、間違いないか?」
「はい、もう逃げ回るのは疲れました」
「では生まれ変わってもらおう。
君の名は “ラーマ・ヤーナ” ここの言葉で “追放された王子” だ。
家も与えよう。
この国でなにかやりたいことはあるか?」
「まだこの国のことはよく分かりません」
「得意なことは?」
「仕事ではスナイパーをしていましたが、あとはものづくりでしょうか」
「この国は長きに渡り貧困に喘いでいた、そのため外から見ても魅力がなく標的にはならなかったが、
今後は発展させていく予定だ。
防衛に関してはみな疎い、ゴーダと協力して防衛対応を考えて欲しい。
また、この国に馴染むように努力して欲しい」
「わかりました」
「ま、俺もまだ馴染んでないけどね。
あ、木工の工房があるから紹介しよう」
「ありがとうございます」
「それと魔眼のショージンはオーラで人を見て探す。
ここに来ることはないと思うが、オーラを変えろ」
「え? どうやって?」
「自然と同化しろ、心を研ぎ澄まし新たな希望と熱意を煮えたぎらせろ、
そうすれば今の希望のない生き様の持つオーラとは違うものになるはずだ。
文字通り生まれ変われ、ラーマ」
「?」
と思う
俺も今のところオーラの強弱しかコントロールできないが質だって変えられるはずだ。頑張れ。
・・・・
ゴーダも俺と同様にここに家を持ち、休みはここで仕事をしている。
週末は2人で黒龍玉に乗ってこちらに来ている。他のメンバーが加わることもある。
ここは第二の拠点だから。
日本に “シースライムソルト” を輸出したら大反響があった
1キロ5000円で卸している。・・輸出経費がのるからね。
ラベルに神龍神聖王国産と書いてあるので、国の知名度は上がったみたいだ。
何故か国名は日本語だったり、山の国なのにシースライムソルトって可笑しいよね。名前の由来は気にしないでおこう。
次の週末、ラーマとゴーダがやってきた。
「国王、防衛プランを考えてきました」
「速いね」
「まず国境の殆どが山の尾根です。
今まで干上がっていた川に水が戻りだし、下流の川と合流しています。
今までは渓谷だった所が渓流になっています。
下流の水量が多少増えましたがそれほど問題にはならないでしょう。
敵が襲ってくるのは川か尾根になります。
川は守りやすいですが、尾根は何処からでも侵入できてしまいます。
でもどこでもと言っても崖などは避けざるを得ないので、
大量の軍が通れそうな場所に監視所を建てようと思います。
ここと、ここと、ここ・・・・それからここです」
「監視所は必要だとしても、どうやって守るの?」
「それが今悩んでいるところです」
「監視所には俺の私設軍を配備しよう」
「イルジョニールみたいなやつか? 百人力だな」
ゴーダはイルジョニールの力を知っているので安心したようだ
「そうだ、今は100体居る。
監視所は10箇所だから、5体づつ配備し、残りは攻め込まれた時に集中的に再配備しよう。
もちろん人も配備する、遭難者かもしれないしな」
「わかりました、すごいですね」
「でもそれだけでは駄目だ、何らかの方法でその防衛網を突破された時の事を考えよう。
例えば空から侵入するとか。空爆の可能性もあるな。
国民が犠牲になるのは避けたい」
「街を要塞にしますか?」
「防壁などは街の発展を妨げることにもなるな」
ラーマ・ヤーナ と ラーマーヤナ は関係ありません。




