088.Mission No.007(2) 端那霊島(2)
村人の避難救助の時に村人に聞いたら、地震の直後に裏山の中腹が光り、それ以降現在のような状況になったらしい。
「まさか祠とかは無いよね」
「あるぞ、たしか場所は・・ここあたりじゃ」
地図に記しを付けてくれた。 一気に解決に近づいた。
「祠が光ったのですか?」
「わからん、山全体が光ったようじゃった」
そっか限定するのは難しいぐらい明るかったんだね。
「何か祠に関する言い伝えは無いですか?」
「大昔からあるようじゃが、誰も知らんと思うぞ」
・・・
とにかく行ってみよう、山の木は大きくしなって、小枝が飛び交っている。
途中までは装甲車で移動できたが、道幅も狭くなって来たので途中からは歩きだ。
ユキにはバトルスーツを作っていないので、ゴーダと装甲車で留守番。俺だけで祠に向かう。
小石の礫がガツガツ当たる、バトルスーツがなければ大怪我だ。
1時間ほど歩くと少し開けた所に祠の残骸らしきものがあった。
不思議なことにその場所だけ無風状態で雨も当たらない、結界の中のようだ。
『おう、ようやく来たか、早く舞え!』
そこには昔の上級貴族っぽい御仁が鎮座していた。
いきなり “舞え” だと、俺がどれだけ踊りが苦手だと思っている・・・と言うか何故舞わねばならない
それに貴方は誰なの?
風と雨・・・
「ひょっとして、貴方は 神話の人 “雨降らす近江の上” か?」
『お前は馬鹿か? それを言うなら “天照大御神” だろ、しかも違うし』
だと思った。
「ひょっとして “妖怪雨降らし” か?」
『お前はアホか? だれが軟体動物じゃ、妖怪でもないし。 我は “風神” なるぞ』
「嘘だ、神龍の知識にそんなの居なかった、強いて言えば神龍が風神を兼ねているはずだ」
『お主、変な所で博識じゃの、騙せんかったか、 “風龍” じゃ』
「何故こんな所に? そして何故舞う必要が?」
『話せば長くなる』
「いや、話してもらえないと納得できない」
『実はそう長くはない、
昔、儂はイタズラ好きでのう、ある日遂に神の怒りを受け封印されてしまったのじゃ。
“梟踊りが奉納されれば其の物に従え、されば解放されるじゃろう”と・・じゃが誰も来ない
地震のせいで祠が壊れて外には出られたが、力は戻らん
だから舞え』
梟踊り?
『師匠、梟踊りって知ってる?』
『何じゃそりゃ・・・待てよ、確か2000年ほど前にこのあたりで何か封印したな?』
『師匠、思い出して』
『ふーん、んーーー、そうじゃこいつ儂が封印したんじゃった、
梟踊りってのはな、こう翼を広げてだな、片足でちょんちょんと右左に動いて、
首をくるっと左右にそれぞれ270度ほど回す。
これを繰り返すだけじゃ簡単だろ』
『師匠、人間の首はそんなに回せません』
『大丈夫じゃ、お主の体を直した時に頚椎の数を増やしておいた、回るはずじゃ』
えっ? そうなの?
ぐるん ぐるん ・・・回った・・・やっぱ人外になっている・・
「じゃあ風龍さん契約する? そしたら暴風雨は止まる?」
『おそらく、今の暴風雨は儂と儂の力がそれぞれ反発して弾かれて起きているから、
お主と契約して、お主が梟踊りを奉納すれば、力と儂が一体化して収まるはずじゃ。
祠が壊れなければこんなことにはならなかったろうな』
彼と契約して、ひょこひょこっと梟踊りを奉納すると、暴風雨は収まった。
そして風龍はバングルに変身して俺の腕に収まった。
俺、なんか色々なものを身に付けてるなぁ。
頭の上には天界梟、
胸にはリヴァイアサンのバッジ、
リュックには猫又、
勾玉のネックレスは海スライム、
そしてバングルは風龍




