079.MIssion No.006(1) 地方巡回(1)
幹部による地方巡回・・・初めての経験だ
現在教皇の開祖様の下に枢機卿は俺だけ、その下に地域毎に大司教が8名、更にその下に都道府県毎に1人づつ司教が47名、の合計57が幹部であるが、巡回するのは大司教までの10名だ。
司教の47名がその巡回対象である。
一箇所に2〜3日として・・・94〜141日・・・長い。
最初日程表を渡された時、愕然とした。 かなりの長期休暇を取らないといけなかった
当然有給休暇なんてそんなにあるはずもなく・・・ユウマを代理に任命して無給休暇にした。
幸い、巡回の費用などは教会が出してくれるので無給休暇でも大丈夫だ。
でもこれって、各地に一週間ぐらい滞在していったらほぼ1年過ごせるんじゃないだろうか?
あいつまた来たと思われるのは嫌だからしないけど・・
ただ枢機卿と言っても別に生活費が貰えるわけではない。こういった行事が教会費用で賄われるぐらいだ。
教会の収入源は、寄付、お布施、グッズ販売などだ、本部運営費として各支部から収入の一部が納入される。
支部には宿泊施設があるので、巡回の費用は主に食費である。 それも別に贅沢三昧するわけでもなく、普通よりもちょっといい食事程度なのでたいした負担にはなっていないそうだ。健全な運営と言えよう。
巡回と言っても視察ではなく、人的交流を主体としたもので堅苦しい儀式もないので俺としては助かる。
本来こういった巡回は1年に一度行われてきたらしい。 流石に俺は毎年来ることは出来ない。 今回は枢機卿に任命されて初めての巡回という事で参加している。
健全な運営のため大司教すら本業を持っている。無職なのは教皇だけだ。
流石に大司教の本業は社長業で、サラリーマンの枢機卿なんてちょっと恥ずかしい思いをしている。
社長がずらりと並ぶ中にサラリーマン1人という状況はちょっと居づらいので、開祖様の近くに居る事になる。 彼女は慣れているみたいだけど。
「もっとドーンと座ってなさい、貴方ここでは2番目に偉いのよ」
「って言ってもね・・慣れないよ」
「挨拶回りガクガクだったわね」
「だって皆上流階級だろ? 落ち着かないよ」
「ここに居るメンバーはみな気さくでいい人よ、ここにはそういう人が選ばれるの」
「そう? 普段着なの俺だけだし、貧乏サラリーマンには辛いな」
「弱点見つけたりぃー」
「猫山様、ちょっとお話があるのですが、よろしいですか?」
「あ、有無さん、何でしょうか?」
「私、実はここ富山で海運業をやっておりまして」
「はい、それで?」
「実は貨物船が行方不明になるという事件が発生しておりまして、いえ、私のところはまだ無いんですが、
多発しているという事なので、船員たちも怖がっていまして、そのーーなんとかならないかと」
何そのアバウトな依頼
「いやあ、俺になんとか出来ると、なせそうお思いに?」
「もちろん、猫山様の実力を身を持ってわかっているからに他ありませんが?」
「海上保安庁とかは動いているのでしょ、いまさら素人の俺がなにか出来る事など無い気がしますが・・」
「もちろん海上保安庁も動いてはおりますが、まだ原因が不明のままなんです、どうかお力添えを」
「あまりに情報が少ないので確約は出来ませんが、やってみるだけやってみましょう。
とりあえず、情報をもらえますか、それと1人では動けないのでサポート要員をお願いできます?」
「ありがとうございます、分かりました。明日サポートの者をよこします」
「あ、この巡回・・どうしよう」
「心配いりません、ここでの滞在期間を延長してもらいます」
あー、巡回は回避出来ないんだね・・・休暇期間がまた延長されるの?
それって早く帰りたかったら早く解決しろって言っているのと同じだと思うけど・・・




