072.有無有無(2)
「それでは、まずこのリストを見ていただけますか?」
以前公園で入手した12名のリストを渡す
「これは・・・派閥のリーダー達です・・・これを何処で?」
「過激派の一味の “最後のメッセージ”・・・でしょうか?
リストにあった名前なので貴方に会ってみようと思いました」
「そうですか、それですんなり会えたというわけですね」
「・・穏健派盟主に会いたい」
「えっ、いくらなんでもいきなり・・・唐突すぎませんか・・」
「時間がない・・・おそらく」
「分かりました、私の一存では決められません、一度帰って出直させていただきます。
連絡はいかが致しましょう?」
「これを持っていってください」
「これは?」
「バードコールです。 これを鳴らせて下さい」
「それで通じるんですか?」
「はい、・・多分」
『師匠いけますよね?』
『百キロ以内なら大丈夫だぞ』
さすが師匠
「百キロ以内なら」
「わかりました、では失礼します」
「あ。これも持っていって、幻の龍玉のお守りです」
手に握れるぐらいの玉を渡した。
これは疑似生物で作った 『お守り君』 だ、せっかく出来た伝手だ死なれては困る。
お守り君には危険を察知したら結界を展開して持ち主を守る様に言い聞かせてある。
ドドーーーン
ん? いきなりお守りくんが発動した?
外に出てみると、車が突っ込んでおり・・有無さんが轢かれた様だ・・・
「有無さん大丈夫ですか?」
「どうやら・・・大丈夫だ・・・このお守りのおかげか?
これは偶然では無いな・・一緒に来てくれ、緊急事態だ」
罠の可能性もあるけど、一緒に行くことにした。
しばらくすると迎えの車が来た様だ。
「有無さん、乗って下さい」
俺と有無さんが乗り込むと急発進した
ガツン
「痛てっ、まだシートベルトしてないし」
「そんな悠長なことを言っていられません、拠点が狙われました。
別の拠点に向かいます」
やはり時間は無かったか
「あのー後ろから車が追っかけてきますけど?」
「わかってる、だから急いでるんだ」
「このまま拠点にトレインするんですか?」
「じゃあどうするって言うんだよ」
「有無さん・・この人バカ?」
「冷静さを失っているだけだ」
「そう、じゃあ追跡者は排除しても良い?」
「どうやって?」
『イルジョニール、後続車を排除・・・他の迷惑にならないように』
『了解』
何処からとも無くイルジョニールが現れて後続車のエンジンを切り裂き、去っていった。
ま、俺のアイテムボックスからだけどね
「こうやって、ですね」
「す、すごい・・悪魔の仕業・・」
ボコッ 一発入れといた・・正気に戻すためにね
「悪魔じゃないわ、イルジョニールっていう幻の龍玉の使者だからね」
「申し訳ありません、悪魔は初めてで・・」
ボコッ もう一発入れといた・・正気に戻すには足りなかった様だ
「ポンコツ部下が申し訳ない」
「リーダーも大変だね」
俺の部下達は優秀なのかもしれない、と誇らしく思ったのは口に出さなかった
「で、この車追跡装置付いてるけどどうします?」
「外してくれ」
ま、そうするよね。
『ユーゾー君、俺の位置情報を追跡しておいて。 なにかあればいつででも出動できるように』
『ラジャー』
俺は安全のために透明タイプのバトルスーツを服の上から着ている。バトルスーツを着ていれば秘匿して会話ができるようになっているのは便利だ。過激派の追跡装置は外したが、俺自身の追跡装置はそのままだ。
万が一を考えて部下を待機させる事にした。




