070.Mission No.005(6)
謹慎が明けてしばらくして部長に呼び出されて出頭すると、警察内部で連絡のつかない行方不明者が6名出たと聞いた。その中に住田佳奈恵が含まれていたのは言うまでもない。
謹慎処分を気に病み失踪したことになっているらしい。
「密告者は行方不明らしいぞ」
「そうですか、私は謹慎で家に居たので知りませんでした」
「何か心当たりは無いか?」
「あるはずがありません。
密告者を知らないのですから。
ただ、こういう物を入手しました。
署内の内通者のリストです。 使い方はお任せします。
ここからは私の仕事ではないですからね。
但し扱いに注意しないとリストの数の死体が並ぶことになります」
「恐ろしいものを渡すな」
「これが処理されないとみんな安心して仕事できないですからね、お願いします」
「死体が並んでも恨むなよ」
「どのみち組織に処分されるでしょうね、その前に利用できるかどうかが手腕の見せ所ですね。
期待しておきます」
・・・・・
今回のミッションで考え直さないといけない事が・・
最初、彼等は龍玉の力で組織をまとめていたと思っていた・・が、
少なくとも若い構成員はその力を見たことがないらしい。
その存在によって象徴として用いて組織をまとめているらしい・・・
それが真実だとしたら・・
やってしまった。
そもそも龍玉の力は適合者しか使えない。適合者と言うのがそうそう居るとは思えない。
長い歴史の中で何人かは居ただろうけど、必ずしもその時代に居たとは限らない・・
今の時代はそんな狭間の時代
“俺が幻の龍玉の力を得た” としてしまった事で今の時代に適合者が居ると認識されてしまった。
組織は、“俺を取り込む” か、あるいは “俺を居ない事にする” か・・・
組織に取り込むという事は、適合者はそのトップになってしまうという事・・ありえない
従って当然 “俺を居ない事” にしたいはずだ。で、今まで以上に俺が狙われる事になっている。
という状況らしい。 最悪だ。 考えが足らなかった。
もちろんむざむざと殺される気はない・・とは言っても今の状況は良くない。
いつまでも襲撃に備えて暮らすわけにもいかないからね。
さて・・どうしよう・・・
今は亡き構成員から得た12名のリスト、まだ調べは進んでいないが、
組織の全貌を暴く糸口となれるのか?
・・・・・
後日警察内部で動きがあった。かなりの人数が一斉に逮捕又は懲戒免職されたらしい。
もちろん一般公表されなかったが一部がマスコミにリークしてしまい、
噂・推測・憶測が飛び交い話題となった。
その過程で 秘密結社“龍の顎” の存在が人々の知るところとなった。
ただ都市伝説的に面白おかしく話題を振りまく者が多くなり、真実が何かを捉える事が難しくなっている。
噂・推測・憶測に埋もれた真実を探すのは難しいものだ。
そんな折、考えられない人の訪問を受けた。俺が本部に来るのを待っていたかのように現れた。
12人の名簿のトップにあった 有無 有無という人物だ。
偽名の様だったが本名らしい、もちろん人物照会しても名前しか上がってこなかった。
その存在は意図的に隠蔽されていて、これまで何の情報も得られていなかった。
謎の人物の容姿がわかっただけでも大きな収穫ではあるが、その訪問の目的が気になるところだった。
なぜ、あちら側から接触してきたのか?




