045.Mission No.001 (11)
ユーマは副班長に班長の座を譲り、監察・捜査支援課に転勤となった。4階から3階へとだけど。
課として成立するためには更に最低でも1名補充する必要があるが、増員に関しては人員補充期限に余裕ができたため保留にしている。
今回のミッションである “オーパーツの調査協力” は完了したものの、龍の顎という組織の脅威が浮き彫りになった。
龍の顎は平安時代から存在する組織で、その全貌は不明で、既存のあらゆる機関に潜入していると思われる。
組織の目的は不明であるが、龍玉を探している事からその力を求めていると思われる。
その力自体が目的か、象徴としてのものかは不明である。
そして組織は龍玉のうち2つ所有していると思われ、その力を元に2つ以上の派閥があると推測できた。
既に龍玉を持つ派閥がさらなる龍玉を求めているか、あるいは龍玉を持たない派閥があり組織の覇権を欲して龍玉を求めているのかもしれない。
現在龍玉を手にしている派閥は、龍玉をより多く手にするよりも他の派閥が龍玉を手にしないのが優先されると考えられるため、場合によっては協力を得られる可能性がある。
彼らが手にしているのは “火を司る龍玉” “水を司る龍玉” の2つ。
彼らはまだ知らないかもしれないが龍玉は全部で6個あり、4個は俺が確保しているのでこれ以上彼らが龍玉を手にすることは無い。これで組織による龍玉コンプリート特典取得は阻止できた。
また、偽装のため全部で6個のダミー龍玉が存在して偽の祠に祀っている。
こちらが流した偽情報により彼らが偽の龍玉を探し出していると思われる。ただ失敗したのは火と水とは違う系列と思われる名前を付けてしまったことだ。
これによって、これらがダミー龍玉と判断されるか、別の種類の龍玉と判断されるか、ダミーだと判断されれば誰がそれを作ったのかという話になってしまう、そうするとその犯人は俺の可能性が生じてしまう。つまり俺の能力の一部がバレてしまうという事に繋がる。
そうなれば俺の持つ情報ではなく、俺自身を確保するために組織が動き出すだろう。
それはまずい。
そうならないようにするには、相応の能力を持つ別の者がそれに関係していると周知すれば良い。
そしてそれが俺とは別人とわかれば大丈夫だろう。
頼めそうなのは師匠かタマリン・・・
もしくは神龍の力による疑似生物創造・・・
仲間を増やしたいと思っていた。
『儂じゃ不足か?』『私じゃ物足りニャイの?』
と師匠とタマリンに怒られたが、2人の安全のために必要であると通した。
疑似生物といっても生物ではなく、核と外骨格のみだ。外骨格は結界のようなもので実体ではない。
機能停止すれば、核も外骨格も消滅する。
核は人の脳と同じように機能する。
見た目は人間・・のようなものと言う感じだ。
まず疑似生物創造で核を創り出す。
そしてその核に容姿、性別、体型、性格などを設定していくと出来上がる。
見つからないように師匠のマイホームで創造してみた。
性別は女性、身長は190cm、体型はスリムマッチョ、性格は冷静沈着、・・・
主人に従順なのは特に設定しなくてもデフォルトみたいだ。
あまり大きくしなかったのは建物の中とか不便だからだ。
衣装は着るのではなく外骨格の一部・・控えめのビキニアーマーにしよ・・・
とにかく俺とは全くイメージの重ならない見た目だ。
出来た、名前は・・・『幻神イルジョニール』・・額に『幻』の文字のプレートがある。
これを使い、寸劇を行う。 幻神イルジョニールによる『幻の龍玉』の返還劇だ。
“俺は祠に龍玉を戻したが、幻神イルジョニールがそれを俺に返却し、俺が主であるとされた。”
という設定だ。
俺が正規の持ち主であり他者は認めない、という事を示し、
俺が能力を使ったのがバレたとしても、それは幻神イルジョニールの力という様に考えてもらえるだろうという思惑だ。
幻神イルジョニール自体に活躍してもらってもいいし、それは臨機応変に考えよう。




