016.内緒のミッション
それからしばらくミッションは無く、うだうだと職場で過ごした。
ユウキも最近店が忙しいらしく、部屋にいるのは24時間体制のユーゾーくんと私だけだ。
「ユーゾー君、今回の年金額増えてた、ありがとう。
・・まっ税金とか保険料も増えるからあんまり増えないけどね」
「あまり増やすとバレやすいしね」
えっばれたらどうなるの・・・
がちゃん ぎぃ〜ぃ〜
室長だ、ミッションか?
「「おはようございます」」
「あ、座ってていいわ、ミッションじゃないから、ちょっと様子を見に来ただけ」
「ちょうど良かった、ちょっと聞きたいんだけど、俺達の報酬って確定申告必要なんですか?」
「あ、それね、機密費を使っているから非課税というか名目上分離課税扱いになっているわ、
申告できないしね。
ただしこの探偵社独自で受けた報酬は別ですけどね」
やったぁ
「あと今更だけど、この部署はどういう目的でつくられたんですか?」
「保 から聞いてないの?」
「全く、アルバイト感覚でいいって聞いただけ」
「全くもう、あの人ったら説明ぐらい自分でしなさいよね。
ここはね、とても公安でやりたくない種類の仕事がまわされる組織よ」
なにそれ、雑務以下の職務なの? 仕事にプライドは無いからいいけど。
ま、人探しはともかく、猫探しはやりたくないよね。
「でも、安心しなさい、危険な仕事は来ないから」
いや、危険な仕事はやりたくないから来るんじゃないの?
「でもファーストミッションの行方不明者探しってみたいな仕事は危険なこともあるんじゃないの」
「あれはたまたま人手が足りなくて回されたのよ、ユウキさんの家族ってこともあったし」
「証拠品探しのために溝浚いとか来ないですよね」
ま、探索ですぐに見つけられるからいいけどね
「それはこないわ、溝浚いに命を掛けてる人達がいるから」
「証拠品以外のものをくれるならやってもいいですよ、えっと・・多摩川辺りなら」
「なぜ?」
「砂金が採れるから」
「そうそう採れないわよ」
そんな事はない、認識共有の修行で、川の泥の中の金を認識するというのをけっこうやった。
ここにある、と認識できればパンニングをやらなくてもアイテムボックスに入れれば採れるからね。
ま、そのときは証拠品を見つけるのを遅らせて、金採取の時間を確保しないといけないから誘導が難しいけど。
「それと、金の非合法販売ルートないですか?」
「それマネーロンダリングですよね。あるけど使えるわけ無いでしょ」
「あ、それ僕、使えるよ」
「ユーゾー、今度お願いしても良い?」
「いつでもどうぞ」
「私は聞かなかったことにするわ」
「じゃあ、これ捌けないかなぁ、徳川埋蔵金なんだけど」
小判というか金塊を1枚渡す
「本物っすか、やりー」
「これ溶かしてから売ったほうがよいかな?」
「そうだね、価値としては埋蔵された状態のままの方が高いけど、そうなると売れないからね。
品位の低い金として売ったほうがよいかもしんないね」
「じゃあ大量にあるから・・・」
「ちょーーーと待って、それって徳川埋蔵金の大発見じゃないの?」
「そうですけど、俺には単なる落とし物のネコババですけど」
「仮に違法性に目をつぶったとしても、
長い間情熱を傾けて埋蔵金を探していた人たちはどうなると思っているの?」
「だから、溶かしちゃえば、夢としては消えないでしょ」
「黙認できません」
「じゃあ国外に売ろうか」
「聞いてなかったの?」
「証拠無いですよね、実はこれ模型だから」
「えっ? 家宅捜索をすれば・・・令状取れないか・・・強盗に入ってもらえば・・いやそれこそ犯罪か」
「立証は不可能ですよ」
そう、アイテムボックスに入っているからね。
・・・・・
・・・こそっと後でルート教えてね、リベートは渡すから・・・
・・・がってんです、班長、任せてください、10%でいいです・・・
・・・了解・・・
一兆円ぐらいになった。物の価値はもっと高いだろうけどね。
現金の一部は現金化し、ユーゾー君に作ってもらった隠し口座にいれて、
残りは海外で金のインゴットに買い替えてアイテムボックスに入れた。
疑似錬金術で金だけ抽出して売っても良かったけど、量が多くて大変だからね。
・・・・・
後日海外で、日本の古銭金塊がオークションに出品されて話題となったが、私は知らない。
徳川埋蔵金は、大政奉還とともに海外に流出していたという歴史的説明がなされただけだ。
・・・歴史を作ってしまった。
確定申告が必要かどうかはわかりません。




