宝物。
投稿、遅くなっちゃってごめんなさい。お待たせしました。楽しんでくれると嬉しいです。
あたしは昨日、リアンを公園に残して帰ってきちゃった。だから今、学校に行くついでに公園によって行こうと思ってるの。
「いってきまーす。」
早くリアンに会いたいな。
公園ではリアンがブランコに座っていた。
「リア……」
あたしは声をかけようとしてためらった。
リアンがなにかブツブツと言っていたから。
「神社の神の奴、おいらのこと、探してるだろうな。でも、あそこに泊まるには検査があるし。人間に見つかったのとか、神だってばれたのとか、きっとすぐに見抜かれてしまうだろう。罰を受けることになるな。でも、心愛もいるし、迷惑はかけられない……」
え?
聞こえちゃったよ。リアン。
予約制とか、嘘だったんだ。あたしに心配かけないための。
「リアン。ごめんねっ」
あたしはリアンに抱きついた。
すぐに消えちゃいそうで、いなくならないか心配で。
リアンがあたしの目の前にいるってこと、確かめたかった。
「どうしたんだ?急に。びっくりしたではないか」
リアンはいつものように優しくほほ笑んだ。
あたしがリアンと関わったばかりに、こんなことになっちゃって……。
それなのに、どうして優しくしてくれるの?
どうして……?
「リアン、あたし、聞いちゃったよ。リアン、あたしのせいで大変なんでしょ。あたしのせいで、神社にもいけないんでしょ。」
リアンの表情が硬くなった。
「おいらはそんなこと思ってないぞ。むしろ、心愛には感謝しているんだ」
「え?」
「心愛は、おいらの唯一の「宝物」だから。初めて守りたいと思った人だから。一緒にいると楽しいから。あと、心愛のことが好きだから。」
あたしはリアンを苦しめた。
なのに……。
やっぱり、リアンは優しいね。
「リアン、ありがとう」
涙があふれた。
嬉しくて、悲しくて……。
幸せすぎて、不安で……。
「心愛は泣き虫だな」
そういってリアンはあたしを抱き寄せた。
鼻をすする音が聞こえる。
リアンの体が小刻みにふるえる。
「リアン、泣いてるの?」
「おいらも、泣き虫みたいだ。おいらを泣かせたのも心愛がはじめてだぞ」
「え、あ、ごめんね、あの……」
なんて言ったらいいのかわかんないよ。どうしよう。
「はは。これは嬉し涙とやらだぞ。心愛がおいらのことを心配してくれたのが嬉しかったんだ」
「リアン、なんか苦しいよ。あの、そろそろ放してもらえないかな……」
なんか言おうと思って、リアンの腕のなかであたしは言った。
でも、うそ。
本当はもうちょっとここにいたい。あたしって素直じゃないな。
「おいら、泣いてるから。心愛に見られたくない、格好悪いではないか」
もうちょっとこのままでいたいけど、それより、リアンの顔が見たいよ。だって、その涙はあたしのために流してくれたんでしょ。
「顔、見せて。リアン」
泣き笑いしてるリアンはちょっと弱弱しく、そしてあったかく見えた。
とたんに心臓が速いテンポを刻み始める。
そう、あの時感じた感覚。
リアンといると、いつものあたしじゃないみたい。
リアンが、神様だからなのかなぁ?
読んでいただき、ありがとうございました。次回は、久々にレイちゃんが出てくる予定です!楽しみにしていてください!