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出会い。

 リアンとお別れして数年が経って、あたしは高校生になった。


 レイちゃんと同じ高校で、同じクラス。

 今だってあたしの前の席で笑ってくれてるよ。レイちゃんはどこにも行かないでずっと、いつだってあたしの傍に居てくれたの。


 新しいお友達は何人か出来たけどね、好きな人はずっとリアンだけだよ。叶わないって分かっててもね、心のどこかでちょっと期待してるのかもしれない。

 あの約束が叶う日が来るってこと。


 チャイムがなって先生が入ってきて、いつも通り小さく咳払いして。だけどただひとつ違ったのがね……「今日は転校生を紹介します」って一言。


 クラスのみんなが騒ぎ立てる中、教室に入ってきたその人は……


「初めまして、北上 吏庵リアンです」


 あたしの大好きな笑顔でそう言った。長い髪は短く整えられていて、うちの高校の制服を着てて、話し方だって普通だったけど、一目で分かる。


「リアンっ!?」


 女の子たちがキャーキャー言ってる中、思わず立ち上がる。

 そんなあたしにあなたは優しく微笑みかけてくれた。


「久しぶり、心愛」って……。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 おいらはあれから自分の世界に戻って、必死に自分の術を磨いた。

 そして、劣等性から優等生へと這い上がったんだ。

 あっちの世界では一番優秀な神にひとつだけ私利私欲のためにどんな術でも使える権利が与えられるから。そのために頑張って、おいらはようやくその権利を手にすることが出来たんだ。

 だから、おいらはそこで禁断の術を使った。心愛との約束を守るために……。


『八百の神に誓う。我は神としての力をすべて手放します』


 おいらは神としての力を全部捨てて、人間になった。おいらの決断に反対する神はもちろん沢山いたけど、父上がおいらをかばってくれたんだ。

 「幸せになるんだぞ」ってさ。



 で、おいらは今ここにいる。「北上 吏庵」っていう新しい名を持って、愛する人の元にいる。


 心愛はおいらにすぐに気がついてくれた。

 再び大好きな笑顔を目にすることが出来て、おいらは幸せ者だ。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 「はい、チーズっ!」


 あの公園で、あの薄ピンクのデジカメに向かってあたしたちは最高の笑顔を向けた。




 

 写真の中で微笑む二人の姿が人間としての新たな出会いを物語っているのだった。


 END

今までありがとうございました!



また、別の話で高校生になった心愛とリアンを書けたらなぁって思います。

そのときはよろしくお願いします。

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