夢、そして涙……
「ん~、ああっ!!」
目を覚ましてびっくりした。
まずは、あたしが公園で寝ていたこと。
それから、リアンの腕の中にいたこと。
それから、朝日が顔を出していたことっ!
最後の一日だから~って言っといて、あたしたち何にもしないで寝過ごしちゃったじゃん!
あたしの声でリアンも目、覚めちゃったみたいでもぞもぞって動き始める。
「うわぁっ!」
で、あたしと同じように驚いていた。
「あのまま、寝ちゃったんだね。あたしたち」
とりあえず笑ってみる。
だって、どうしたらいいのかわかんないんだもん。
「ああ、でもな、おいら夢見たぞ!すっごくイイ夢だった」
あたしも素敵な夢、見たよ。
リアンが出てくれば全部イイ夢だもん。
リアンにとっての素敵な夢にはあたしが居るのかなぁ?
「おいらが、神さまの世界に戻るんだけどな、また落ちこぼれになった夢」
なんで?
落ちこぼれになりたいの、リアンって。
「でな、おいら、また人間界に追放されるんだ。で、また心愛に出会う」
リアン……。
「えっ!ちょ、心愛?なぜ泣くのだ?」
リアンがそういうこと言うのがいけないんだよ。
それは、反則だよ。
「う、うれし、涙なの~」
「そうか、ありがとな。心愛」
そう言って広い胸であたしをぎゅってしてくれた。
「あたしも、夢みたの。リアンとね、一緒にこの公園で、相変わらずなね、話、してるの」
泣いてるせいであんまり長くしゃべれないあたし。その言葉と言葉の間に毎回「うん」って相槌をうってくれるの、リアン。
あたしを抱きしめる力が強くなったのは……きっと……
「泣いてるでしょ?」
あなたも嬉し涙を流してくれているからでしょ?
「ああ」
二人で思いっきり泣いて、少しの間沈黙がつづいて、いつもなら二人して笑うの。
だけど、今日は違った。
いつもみたいに一緒に笑おうと思ってね、リアンのほうを向いたら……
唇にやわらかい感触が……。
ほんの一瞬の出来事だった。
「え……リアン?」
あたし、リアンとき、キスしちゃった!?
「おいらと結婚、してくれるんだろ?」
そう言ってあたしの大好きな笑顔で笑ってくれた。
今日、ちょこっと頑張っちゃいましたっ!
いままで更新遅れててすみませんでした!!