第4回だよ!!
結果を出し続けて彼女は今。
私、ナマズガワ・アンコがアンバーワールドに来てから一年の時が流れました。それはつまり、この職業斡旋所で働き始めて同じく一年が経つということなのです。
そんなこんなで私は、ある日の朝、所長室に呼ばれたのです。部屋の内装はとても質素で、和風な感じでした。
室内で待ち構えていたのは、椅子に腰掛けるならぬ、テーブルにボンと座り尽くす牡丹餅うさぎ所長。耳をピンピンと張っている。
「なぜ呼ばれたかわかりますか?」
牡丹餅うさぎはアンコに問いかける。
「わからないのです」
「アンコさん、あなた」
あ、もしかして…
お仕事クビなのですかね?業績はあるのですよ?それがすぐに浮かびました。
アンコの表情は変わらない。ずっと、のっぺり顔。
「有給の申請、してませんよね?」
・・・・・・。!!?
「有給?使う予定がないのです」
そんなものあったのですね。
2人の間に数秒沈黙ができる。そして、牡丹餅うさぎは先にその沈黙を破った。
「なるほど、それも良いでしょう」
「なのです」
「ですが!!」
「なのです!?」
「有給消化は、義務です」
ぎ、
「義務、なのですか?」
「はい。ですから明日はとりあえずお休みにしてこのアンバーワールドで羽を伸ばしてください。普段の話を聞いている感じですと、週休はルーティン化していて、なんだか働くために英気を養うだとか、元いた世界の居場所に帰る手掛かりを探すために死力を尽くしているだとか、それも良いのですがそれでは自分を保てないですよ。ワークライフバランス。休むこと、自分を大事にすることも、立派な社会人の義務です」
「合点なのです!!」
「ええ、ええ」
ということで、休みを満喫するのです。とは、言ったものの、この世界のオシャレに無頓着の私は白Tにデニム。色彩豊かなこの世界ではかなり地味めなのです。気にしてはいないのですが。
そうしてあてもなくテキトーに自宅付近の野外を散歩していると、たまに所へと遊びにくる顔見知りに出会ってしまったのです。
彼は、声の低い男性がたまに出す裏声みたいな声でよく話す
「アンコがいるよ〜ん」
チーズ猫なのです。見た目は薄い黄色をした深い毛並みで全身覆われており、チーズ猫なので、語尾も身体もそれなりに伸びる奴なのです。火に焼けると実にこんがりするのです。
「公園のベンチで横たわって、二度寝なのですか?(只今午前10時)」
「アンコを待ってたんだよ〜ん」
「私がここに来ることがわかっていたのですか?」
「そうかもだよ〜ん」
「絶対そうなのです」
なんか此奴は頭が良いのです。だから用があって私を待っていたに違いないのです。
「もうすぐ公園の出口の前の道をヒューマンの女の子が通り過ぎるんだよ〜ん。その子はきっと泣いてるんだよ〜ん」
「泣いてるとなんなのですか?」
「話しかけると泣き止むかもしれないんだよ〜ん。何かヒントが見つかるかもだよ〜ん」
ヒント?元の世界に帰るための?
「わかったのです。とりあえず声をかけてみるのです」
「頑張るんだよ〜ん」
それを告げ終えるとチーズ猫は、スルリとベンチの隙間を抜け、草木生い茂るどこかに行っちゃったのでした。
「アイツ嫌いなのです」
なんとなく、チーズ猫は嫌いなのです。
だよーん。だよーん…。うーん。
だ、よ〜ん?これか。うん!これだ!
昔友達が今川焼きのことをお菓子ではなく焼き物(陶器)だと思っていたことがおもしろかったです。今あの友達は元気にしてるかな?いつも話すとネタが尽きない友達でした。
追記 上のだよ〜んは意味なんてないんだよ〜ん。