第1回だよ!!
爆速というほどでもない投稿速度第1回ぃぃぃぃ!!
ぼさっとした紫髪の女の子。朝きっちりバッチリ目を覚まし、朝食、整容、スーツに身を包み、いざ働く。出勤。
「所訓!自分が何かに選ばれたいからここにいるんじゃない!自分が何かを選びたいからここにいるんだ!忘れるな!忘れさせるな!」
朝の日課は、これを口にすることで始まるのです。
ここは不思議な世界、アンバーワールド。私ことナマズガワ・アンコ(推定年齢14歳)は、ひょんなことからそこにいる牡丹餅からウサギの耳がシナシナに生えてるような見た目の牡丹餅うさぎさんとおでこごっつんこ衝突したことで記憶を失い、また居場所を失いました。どこに行けば帰れるのか。わかりません。だから帰れません。途方に暮れかけたところでそこにいる牡丹餅うさぎさんの一声で拾われ、今はこのアンバーワールド内に存在する職業斡旋所の所員としてバリバリ働いているのです。もうかれこれ半年になるのです。ちなみにそこにいる牡丹餅うさぎさんはここの所長さんなのです。牡丹餅うさぎ所長なのです。ここのボスなのです。
今日も仕事が始まるのです。
「レニーカエルのバントさんには、このプールの監視員がオススメなのです。バントさんは水陸両用なので、絶対この仕事がいいのです」
アンコはレニーカエルと呼ばれる人間と同等サイズの体格を持つカエルの種族である彼、バントという名の中年レニーカエルと互いにテーブルを跨ぎ椅子へ腰掛け、彼に対して仕事を斡旋していた。
「うーん、確かに合ってるとは思うんだけど、ちょーっと月給が低すぎない?これじゃあ生活費でいっぱいいっぱいな気がするよ。あとここ来るの2回目だけど、似たような仕事ばっかりプッシュしてくるよね、きみ」
「お似合いだと思ってるのです」
「褒められてるの?ありがとう?でもソレ今の時代じぁ失礼にあたるかもしれないから気をつけなよ。レッテルを貼る、みたいな。で他の仕事はない?」
「あるのです。少し待つのです」
「うん…」
彼女手際はいいんだけどね。なんだろう。思い込みとかが強いというか。
「これなんかどうなのですか?」
新たに取り出された紙面に書かれた職の情報を彼女が読み上げる。
ババン!
「水底文化調査員なのです」
ババン!
「なんでもっと普通のが出てこないのかな?」
「決めつけるのは良くないのです。レッテルなのです」
「うわぁ爆速回収かぁー?」
「一度実地研修に出るのです。私も同行するのです。それで決めるのです」
「こっちの確認しやしないの、無茶苦茶だあ」
「少しバントは選り好みが過ぎるのです」
「うーん、ここそういう場所じゃないの?」
「黙れ一緒に来るのです」
古池や蛙飛び込む水の音。
今は沈黙の季節。
英語ではこう言うんだ。へー、
Old pond―frogs jumped in―sound of water.
友達あんまいないから言うことないや。