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青き血族  作者: カレラ
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01 成り立ち

           「ベクン魔法共和国について」

                     ベクン魔法学校 中等教部 ピエル


「魔力の与えられる量は違えど、万人に平等に与えられている。それをもとに使用する魔法も同じことである。つまり、われわれ人間には魔法を自由に扱う権利がある!貴族だけが、才あるものだけが魔法を使うのは間違っている! 今日この日をもって魔法を万人の元に戻す!!」


 この言葉は魔法解放軍がベクン王国に対して発表した声明の一部である.これまで魔力を必要とする魔法や魔道具の使用は,貴族と一部の才ある平民にのみ許されていた.これは,魔法や魔道具作りの知識が体系化されておらず,貴族家ごとの秘伝として伝えられていたためである.魔法を戦闘に使えるほどの魔力を持つ平民も少ないことから、これが当たり前の姿とされていた。


 しかし、その体制に否を唱える者たちがいた。それは、一部の才を持った平民とその周辺の人間だった。なぜなら、魔法を使える平民とその周囲の人間は魔法知識の流出を防ぐため子孫を残すことを禁じられ、その疑いありとなれば「疑わしき平民を全て死刑に処す」という法律が存在したためである。


 この状況を打開すべく魔法を使える平民たちの一部が集まり対抗策を模索した。まず彼らは,自分たちが与えられた魔法知識を整理しまとめ上げた。平民が魔法を習う際は、国によって割り当てられた貴族の家に訪問し、そこで魔法に関する知識を与えられる。この時与える知識の量について特に規定はないが、割り当てられた平民の功績はそのまま当主の功績となるため、惜しみなく知識を与えられるものもいた。


 彼らはそれら全てをまとめ上げ、魔物討伐の傍ら平民たちに魔法を教えていった。やがて紹介によってその活動に参加する平民の魔法使いは一人二と増えていき、気づけば大きな組織となっていった。その組織は”魔法解放軍”と名前をつけ、活動を続けていった。


 しかし、そのような活動がばれないわけはなく、魔法解放軍結成からわずか半年後に王国軍によって魔法解放軍所属者の処刑が始まった。魔法解放軍のメンバーはこれに対抗する声明を発表し、四年もの間戦闘が続いた。結果、魔法解放軍は全ての領地と王都を落とし、国の実権を手中に収めた。


 これにより、ベクン王国は名称をベクン魔法共和国と変更し、貴族性を廃止した。また、国の在り方として「国民のために魔法を使用し、魔法に関する教育を国民の望む者に与える」とし、国を挙げて国民への魔法の使用並びに魔法の普及を行った。


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