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俺の助手のいつもの仕事

作者: 赤城イサミ

 歩けば事件が起きる。何処に行っても事件がついて来る。

 しかし、その全てを解決して来たのは俺。

 名探偵である俺だ。


「先生。この一連の殺人事件、複雑怪奇ですが、実の所、単純明快なのです」

 助手よ、お前はいつも自信満々に言うな。

「ふむ。君には分かるか」


「勿論です」

 馬鹿を言え。歳が二回りも違う若造に何が分かるというのだ。

「ふふ。なら君の答えを言ってみたまえ」


「はい。犯人は殺人を芸術とするサイコパスです。先月の窃盗事件。調べてみると繋がっている部分が多く出て来ました」

 古っ! 先月? 何それ。窃盗? 関係あるの?

「ほう。それに気づくとはな」


「恐れ入ります。で、その事件、一見全く関係の無い事件と思いきや、窃盗犯の女は今回の犯人と面識があったのです」

 え? そなの? 複雑じゃん。

「調べているじゃないか」


「ありがとうございます。では、今回のこの遺体写真を見てください。これは血の池で歌うアイドルを表現しています。そしてもう一枚。ステージ裏にあったこの不自然な血痕。これは犯人の物です」

 え? このすっげー小さい点、これ血痕? よく見つけたなオイ。

「ふむ」


「DNA鑑定の結果、とある人物に行き着きました。警察と共に追いましたが、既に姿を消していました。が、しかし、窃盗犯との関係を更に調べた結果、潜伏先を特定したんです」

 マジで? え? いつ行動してたの? え? つか警察と一緒に行動してたの? どゆこと?

「やるじゃないか」


「はい! そして無事捕まえまして、事件の詳細を語らせた次第です。細田警部には昨夜、礼を兼ねてお酒を御馳走になりました。あ、すみません。一人で行っちゃって」

 あ、うん。それは良いけど、解決してんの? この事件。……そういやテレビ壊れてたな。新聞は……取ってねーや。

「気にするな。俺はあいつといつでも飲めるからな」

 細田って誰だっけ?


「流石です先生! ともかく犯人を捕まえられたのも先生のご指摘があったからです」

 ん? 何か言ったか?

「あれに気づくとはな」


「はい! 先生が壊したテレビ。関係者はテレビ局内に居る! というヒントだったんですね」

 あれ? テレビ酔っぱらって壊したんじゃ……。

「そのくらいは必要かと思ってな」


「先生はとっくの昔に事件のあらましをご存知だったんですね!」

 知らんわ!

「ああ。当然だ」


「尊敬です! では、詳しく語る必要はないですね! お疲れ様でした!」

 あ、ちょ、待って!

「うむ。お疲れ」

 助手よ。頼む。たまには犯人くらい教えてくれ。

なろうラジオ大賞用です。超短編です。

探偵と助手のこういう関係ってよくある話……ですよね?

楽しんで頂けたなら幸いです。

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