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園遊会当日

学園に入ってから一ヶ月が経ち、今日は園遊会当日


「凄い!レーナ!この世で一番美しいよ!」


「兄様、買いかぶりすぎです」


侍女の仕立ててくれたドレスは、ベアトップやスカートのリボンフレアに重ねられた黒のチュールが特徴の深紅のドレス。

見るからに悪役令嬢っぽいもの。


「ミレーナ様は大人びた方ですので、ここはグッと大人らしさを出してみました!」


侍女が鼻息荒く言ってはいるが、出来れば緑とか周りの色に溶け込むものが良かった。


「これでうちのミレーナ様が、一番注目を浴びること間違いなしです!」


侍女達皆で拍手喝采。


「本当に美しいよ、レーナ。地上に舞い降りた女神のようだ」


いや、断罪される悪役令嬢だが?


「では、女神様。参りましょう」


「……はい」


──行きたくない。



ザワザワ


「レーナご覧。みんなお前の姿を見ているよ」


「そんなことありませんよ」


会場に到着し、馬車から降りるや否や視線の嵐だった。

そりゃこんな悪役令嬢みたいな格好、他の人はしないからな。


「ミレーナ様!!」


「カナリヤ」


「すっごい素敵です!遠くからでもすぐわかりました!」


それは遠くからでも悪目だちしているってことだな。


「カナリヤも素敵ですよ」


「ミレーナ様には全然敵いません」


カナリヤはヒロインらしく、淡い水色の可愛らしいドレスだった。


「レーナ、僕はちょっと受付してくるからここにいて。動いちゃダメだよ!」


「はい、お願いします」


さて、早いとこ隅に寄って空気と化すか。


「セルヴィロ嬢!?」


……遅かったか。


「殿下。ご機嫌よう」


とりあえず、挨拶と一礼を済ます。


「驚いた。とても美しい……」


「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」


「世辞ではない!普段も美しいが、今日は格別美しい」


「私などより、カナリヤの方が可愛らしくて素敵ですよ」


「ほう。フォンターナ嬢可愛らしくなったな」


「……ありがとうございます」


カナリヤを殿下の前に出すと、殿下がカナリヤに声をかけた。

殿下の言葉に顔が赤くなるとは、本当に可愛らしい。


「それで、こんな所で何をしている?」


「兄様が受付をしに行っているので、ここで兄様を待っています」


「ロベルトか……あいつが来るとめんどくさい。セルヴィロ嬢とフォンターナ嬢、私と一緒に会場の中へ行かないか?」


「私は兄様を待っていないと後でうるさいので、ここにおります。カナリヤだけお連れください」


「えっ!?それなら私も一緒にお待ちします!」


「大丈夫ですよ。すぐ来ると思うので、殿下と先に行ってください」


「そうですか……?じゃ先に行ってますね」


「はい」


殿下とカナリヤの後ろ姿を見送り、一息つく。


──疲れた。


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