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ヒロイン

原作でのヒロインは、ウェーブのかかった焦げ茶色の髪に、グリーンの大きな瞳。そして、愛らしい笑顔。

誰にでも優しい聖女のような女性。


──こんなに早く遭遇するとは。


原作では、クラスに入った所でヒロインとぶつかり、ヒロインを罵る。

そこに偶然殿下が通りかかり、ヒロインを罵る場面を目撃される。

この時から、殿下のミレーナに対する態度が冷たくなっていくのだ。


「あの、セルヴィロ様?」


「ああ、ごめんなさい。私の事はミレーナと気軽に呼んでください」


「では私の事も、カナリヤとお呼びください」


「ではお言葉に甘えて、カナリヤと呼ばせていただきます」


「はい!ミレーナ様!」


あぁ、とても愛らしい笑顔。

ヒロインは得だね。

それに比べて私は……。


「ミレーナ様!式が始まってしまいます!」


「大変!カナリヤ、急ぎましょう」



「セルヴィロ嬢!」


無事に式が終わり、カナリヤと教室に向かう途中、聞き覚えのある声に呼び止められた。


「殿下?」


「ああ、久しいな。おや?そちらのご令嬢は?」


早速目をつけたな。

出会い方は違うが、殿下とヒロインが結ばれる原作は変わらないようだ。


「私、カナリヤ・フォンターナと申します」


「先程、裏庭でお会いしまして」


「裏庭?そんなとこで何をしていた?」


「あっ、私がちょっと他の方達と揉めていた所を、ミレーナ様に助けていただいたのです」


「なに!?セルヴィロ嬢、怪我などしなかったか!?」


「そんなヤワには出来ておりません。それに、私が一般の学生如きに負かされるとでも?」


実は、兄様と爺やに体術も教わっていた。

前世で黒帯を取得していたから、体術は割と早くミレーナの身体でも覚えられた。


「そうは言っても、貴方は女性ですよ!?危険な場面に遭遇したら、まず衛兵を呼んでください」


呼びに行ってる間に何かあったらどうする?

私は頭で考えるより、行動派なんだ。


「……善処します」


まっ、ここは大人しく返事するに限る。


「アレン!」


「……カルロか」


カルロ?……カルロ・アルデガニ!?

隣国の第三王子ではないか!?


「おや?このお嬢さん方は?」


「あぁ。こちらはセルヴィロ嬢とフォンターナ嬢だ」


「初めまして、ミレーナ・セルヴィロと申します」


「私はカナリヤ・フォンターナです」


「よろしく、可愛らしいお嬢さん方。私はカルロ・アルデガニです」


──やっぱり、第三王子か。


実は、この小説の中で一番好きな人物がカルロだったりする。

この男一見軽そうに見えるが、実は芯がしっかりした男だ。


──それに、とんでもなく強い。




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