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結婚式

あれから数年の歳月が過ぎた。

そして今日、カルロとの結婚式を迎えた。

会場にはカナリヤ、アレン、ジルベルト、エリオにダンテとマウロ、それに大きくなったリリもいる。

当然、サラや兄様、父様も。


ここまでの道のりは、それはそれは大変だった。

兄様はカルロにブチ切れ、あわや外交問題に発展しかけた。

父様が必死に止めていたのが、昨日の事のように思い出せる。

アレンとジルベルトは、一発ずつカルロを殴って納得した。

カナリヤは泣いて喜んでくれたし、サラは結婚しても専属侍女として付いてきてくれる。

エリオも同様に付いてくる。それはアレンも承知してくれた。むしろ、何かあったらすぐ知らせろとの事らしい。


そして迎えた式当日。


結婚式のドレスはやっぱり白がいいと思い、白をチョイスした。

胸元には刺繍レース。スカートにも刺繍レースが入っている美しいドレス。


「さて、私の奥さん。行きますか?」


「ああ、だ、旦那様?」


カルロの手を取りながら、顔を真っ赤にして言ってみた。


「はあ、またそうやって私を煽る。……この場で押し倒しますよ?」


抱きしめられ、頭にキスされる。

頭から頬、首筋とキスされる位置がどんどん下がっていく。


「ちょ、待った!今から式!!」


慌ててカルロの口を塞いで、止めに入った。


「残念ですね。ま、お楽しみは夜に取っておきましょう」


ニコッと笑ってキスをされる。

その言葉にますます赤くなる。


「ふふっ。ミレーナ、真っ赤ですよ?白のドレスが映えますね」


「誰のせいだ!!」


そんな会話をしながら、教会のドアを開けた。

中には沢山の人達。

拍手の中、神父の前まで二人で行き、婚姻書にサインする。

これで、私達は夫婦になった。


──あんまり実感がないね。



その後、国民に挨拶を済ませ、一旦着替え国王様に挨拶。

そして、夜にはお披露目会。

自室に戻れたのは、深夜を回ろうとした頃だった。


──目まぐるしい一日だった。


正直このまま寝たい。が、それを許してれる様な奴ではない。


コンコン


ほらな。


「ミレーナ、お疲れ様。一杯どうです?」


「……付き合うよ」


ワインの瓶と二つのグラスを手にカルロがやって来た。

そしてソファではなく、ベッドに腰掛けながらグラスにワインを注ぎ、飲み始める。


「やっと私のものに出来ましたね」


「……ものではない」


昔の記憶を思い出した時にはどうなるかと思ったが、結果良ければ全て良しかね?

本当、私は今も昔も周りの奴に恵まれている。

これは神様に感謝すべき事だね。

この世界で色んな事を学んだし学べた。

これからも学んでいく予定。

実はカルロと世界を巡る旅を計画している。

カルロは私の夢を尊重してくれた。

カルロは第三王子だから、結構融通が聞くらしい。

その話を聞いた時は、泣いて喜んだ。

カルロを選んだ時点で、叶えられない夢だと思っていたから。


「何を考えているんです?」


「ん?いや、やっぱり好きだなってね」


ははっと笑いながら答えたが、カルロからの返事はなかった。

代わりにベッドに押し倒された。


「私の奥さんは私を煽るのが本当に上手いですね。もう逃がしませんよ?」


「上等だよ。カルロも覚悟してなよ?」


「まったく、貴方には敵いませんね……」


言い終わると深く熱いキス。

そのまま、長い夜は更けていく……。


本当幸せ過ぎて辛い……。

こんな結末もあり……かね?


──そう言えば、大臣の息子現れなかったな……?







※※※※※※※※※※※※※※



時は戻り……

カルロとミレーナが想いあった頃。

カナリヤを巡り、公爵家次男ステリオと大臣の息子カスパーの攻防が密かに激しさを増していたが、それはまた別のお話……。


これで完結となります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

新作も、宜しければ読んでやってください。

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