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帰路

予定よりも滞在が長引いたが、本日帰路に就く。

途中ダンテ達の屋敷にも寄らなければならないからな。

滞在中はカルロが毎日やって来ては、他愛のない話をして帰って行き、また次の日やって来るの繰り返しだった。

しかし、それが何故か楽しく心地よかった。

ジルベルトとは、旅先でも剣の稽古だった。

ジルベルトらしくて思わず笑えたな。

アレンは……あまり来なかったな。


「ミレーナ、私は先に行く。ゆっくり戻ってくるといい」


「ああ、気をつけて」


「……お前も」


アレンが先に帰路へ旅立った。

さて、私らも準備出来次第行くとするかね。


「ダンテ、マウロ!準備出来たかい?」


「お嬢!すみません!ダンテの奴がもうちょっと!」


「おう!終わったぜ!」


出てきたのは物凄い量を詰め込んだであろうリュックに、両手には食べ物の袋が目一杯。

子供たちのお土産なんだろう。


「よし!行くか!いざ、帰還!」


「「お---!!」」



「で、ミレーナ様は誰と結婚するんです?」


ブーーーー!!!


馬車の中で優雅に紅茶を飲んでたら、馬に乗ったマウロが聞いてきたもんだから、紅茶が吹き出た。


「ミレーナ様!!何してるんですか!?」


サラ、すまん。だが悪いのはマウロだ。


「そりゃ、アレッシオ王子だろ?住んでる国の王子から求婚なんて、そこら辺の令嬢は飛び上がって喜ぶぜ!?」


「ダンテ、それは()()()令嬢の場合。ミレーナ様は普通じゃない」


「エリオ!?なに急に出てきて失礼なこと言ってんだい!?」


「俺を置いていって何言ってるんですか!?起きたら居ないからビックリしましたよ!」


しまった。忘れてた……。


「エリオは置いてきても、ちゃんと付いてくるんで気にしなくてもいいですよ」


サラが援護してくれた。

確かに隣国ぐらいの距離なら気にすることもないな。


「さて、そろそろダンテらの屋敷だ」


「ああ、みんな変わりなければいいんだが」


近付くにつれて、ダンテとマウロがソワソワし始めた。

屋敷が見え、外で数人の子供が遊んでるのが見える。


「あっ!ダンテとマウロだ!!」


「本当だ!!」


子供たちが気付き、こちらへ走って来た。


「こら!走るな!危ないだろ!」


「ただいま。ちゃんとお利口にしてましたか?」


ダンテとマウロは馬を降りて、子供たちを出迎えた。

子供らはそんな二人に抱きついた。

いい光景だ。


「お姉ちゃん!!」


リリが私に駆け寄り、飛びついてきた。


「おっと!リリただいま。急に飛びつくのは危ないぞ」


リリの頭を撫でながら、軽く注意しとく。

良かった。皆変わり無さそうだ。


「レーナ!!」


嫌な声が聞こえたな……。

声のする方を見ると、屋敷の前で兄様が仁王立ちしている。

やっぱり。


「兄様、なぜこんな所にいるんですか?」


「そんな事はどうでもいい!その腕はどうした!?」


ヤバい。まだ傷がしっかり塞がってないから包帯をしているんだった。


「いや、これはちょっと……色々ありまして?」


「はあ、詳しいことはうちに戻ってから聞こう」


とりあえず、今すぐのお説教は回避出来たようだ。

そして、アジトである屋敷の中に入ると驚いた。

初めて見た時とは比べ物にならないくらい片付いて、清潔さが保たれている。


「うちの者が頑張ってくれたよ。相変わらず、レーナはお人好しなんだから」


これは、凄いねぇ。

立派な屋敷になったじゃないか。


「兄様、頑張ってくれた者に褒美をお願いしますね」


「仕方ないね」


これなら安心して、うちに戻れるね。

あとは、こいつらだけでやって行けるだろう。


「ダンテにマウロ……この先何があろうと、あんたらは私の部下だ。何かあったら私を頼りな」


「ああ、お嬢に出会えて良かったよ」


「エリオはたまに寄越すよ。稽古を付けなきゃいけないからね」


多少腕は上がったが、まだまだ弱い。

何かあった時、全員を護れるぐらい強くならなきゃいけないからね。

ま、エリオはブツブツ文句言ってたがね。


「私もたまには顔を出すようにするから、達者でやりな!」


「おう!ありがとよ!」


そう言って、ダンテらと別れた。


──さて、いざ我が家へ!


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