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女の正体

私の予想に反して、簡単に疑いが晴れた。

侵入者二人を捕まえたことにより、一連の事件の首謀者がわかったのだ。

散々騒ぎ立てた犯人。私に罪を着せようとしていた犯人。それは、カルロの執事ジーノだった。

彼は自分が仕えているカルロを王に据えたかった。

その為、第一王子派の幹部に裏から手を回しこちら側に着くよう脅しをかけ、脅しが効かなかった第二王子派の幹部は暗殺された。

そして、何故私が巻き込まれたか。

それは、カルロがジーノに面白い女がいると話していたのがまずかった。

ジーノはカルロが興味を示した女を妻にするだろうと勘違いした。

ジーノは自分の娘をカルロの妻にする予定だった。

それが狂ってしまった。

それならば、全ての罪を被せて殺せばいいと判断したらしい。


──私は巻き込まれ損だよ!!


それと覆面の女だが、あれはジーノの娘だった。

覆面を取って慌てるのも無理なかった。

あの娘はカルロが本気で好きだったらしい。

それが、こんなぽっと出の令嬢に取られるのが癪に障ったらしい。

っていうか、そもそもだがカルロと結婚なんて予定ないから!

攻撃する前に聞いておくれよ。


カルロは一連の事件を知っていて、調査をしていたらしい。

それが夜会の時に令嬢達に囲まれていたのに繋がるらしい。


「一言言ってくれても良かったんじゃないのかい?」


「敵を欺くには、まずは味方からと言うではないですか?」


──こいつは、こういう男だった……。


私らは今、カルロの執務室で、一連の事件の真相を聞いていた。


「で、奴らの今後は?」


「ええ、ジーノは執事解任。死刑が決まりました」


「娘は?」


「ミレイは20年の幽閉です」


死刑じゃないだけ良かったか。

ま、もう華やかな舞台には立てないけどな。

それほどの事をしたんだ、ちゃんと罪を償いな。


「毎回ミレーナにはハラハラさせられる」


「まさか一人で行くとは思いませんでしたよ」


「俺は想定していましたけどね」


アレン、カルロ、ジルベルトの順で責めてきた。

あの場合、私一人で行くしかないだろ!?


「ミレーナは私の婚約者になるんですから、少しお転婆を控えてくれませんと」


「は?」


カルロがサラッとおかしな事を言ったか?


「何言ってる!ミレーナは私のだ!」


「お二人にミレーナは扱えないですよ。私がいただきます」


「はっ?」


アレンに続いて、ジルベルトが反論する。

この三人は何言ってる?

私はカナリヤじゃないぞ。

当のカナリヤは「三人の殿方から求婚……素敵……」なんて言いながらこちらを眺めている。

エリオとダンテ、マウロに助けを求めるも奴ら知らぬ存ぜぬの顔をしていやがる。


「えっと、私の意見は無視かね?」


「いえ、ミレーナの意見を尊重しますよ。私を選んでくれると信じておりますが」


確かに昔は一番好きだったが、現実ではちょっと……な。


「ミレーナ、俺ならお前と上手くやって行けると思う。俺を選んでくれ」


ジルベルトも確かにいい男だが、私には勿体ないね。


「この中では私との付き合いが一番長い。私の事を一番理解しているのはミレーナだけだと思っている」


原作では既に婚約者だったアレン。しかし、今は候補止まり。

原作は既に変わっている。このままアレンと婚約しても死刑になる事はないと分かっている。……分かってはいるが……。

私は恋愛した事がないんだよ!

正直よく分からない。

今も昔も恋愛よりも、乱闘してる方が多いんだよ。


「今すぐ決めろとは言いませんよ。今からじっくり落としますから。それも面白いでしょう?」


「まあ、ミレーナを困らすつもりはないからな」


「ゆっくり考えてくれ」


アレンが頭をポンとする。

考えるも何も、想定外過ぎて頭が追いつかないよ。


──とりあえず、一度寝て忘れよう!

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