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ソニアの過去(ソニア視点)

幼い頃、私は恋に落ちた。

その方はセルヴィロ侯爵家のご子息ロベルト様。


6歳の頃お父様に連れられて、セルヴィロ家を訪れた。

大人の話は退屈で、隙を見て外へ出た。

ふと、中庭に目をやると、とても綺麗な薔薇が咲いていて、思わず庭におりてしまった。


「綺麗な薔薇」


「誰?」


声がした方を見ると、とても美しい男の子が声をかけてきた。

薔薇も綺麗だったけど、その男の子の方に目が奪われて目が離せなかった。

身なりからして、この方がロベルト様なんだと思った。


「勝手に、申し訳ありません!私、ソニア・アルカンディニと申します」


「ああ。アルカンディニ家のご令嬢だね?僕は、ロベルト・セルヴィロ。よろしくね」


それはもう天使のような微笑みで、一瞬で心を奪われてしまったの。

この方の側にいたい。この方の一番になりたいと。

それからは、ロベルト様のお友達として普通に接してきた。


月日は流れ、私達は婚約者を選ぶ歳になった。

私はお父様にロベルト様がいいと、お願いした。

しかし、ロベルト様からの返事はいつもノー。


──なぜ!?なぜなの!?


そんなある日、ロベルト様を見かけたので声をかけた。


「ロベルト様、ご機嫌よう」


「ああ。ソニアか」


「ロベルト様失礼ですが、婚約者はお決まりになりましたの?」


「いや、僕は婚約者はいらない。そもそも結婚もするつもりがない」


その言葉に絶望した。結婚すらしないと。


「なぜ!?ロベルト様は侯爵家の嫡男!跡取りはどうするおつもりです!?」


「僕にはレーナがいれば、それでいい。跡取りは養子を貰うつもりだよ」


レーナ?……ミレーナ!?ロベルト様の実の妹!?

なぜ!?たかが妹でしょ!?

いくら妹でも許せない!ロベルト様と幸せになるのは、この私!

悔しさを唇を噛んで、その場は誤魔化した。


ミレーナがいなくなれば、ロベルト様は馬鹿な考えをお捨てになるはず。その為にはミレーナには消えてもらう。

その為に、色々作戦をねった。

しかし、作戦を実行に移す前に予想していない事態が起きた。

ロベルト様が私と婚約してくれたのだ!

夢ではないのかと疑ったが、現実だった。

嬉し過ぎてその日一日の事は、あまり覚えていない。


だけど、もし、もしもロベルト様の気が変わったら?やっぱりミレーナがいいと言い出したら?

そんなの許せない。耐えられない。

そう思った私は、お父様にある提案をした。


「婚約者として、セルヴィロ家に恥じない妻になる為に、今から努力した方がいいと思います。その為には、まずセルヴィロ家を知らなければいけないと思います。ですから、しばらくセルヴィロ家に滞在をお願いして頂けませんか?」


お父様は二つ返事で了承してくれた。

そして、セルヴィロ家を訪れた。ロベルト様との幸せの為に。

セルヴィロ家に着いてすぐ、ミレーナに挨拶する為に部屋を訪れた。


初めて見たミレーナは、美しい人だった。ロベルト様が入れ込むのも無理はない。

しかし、ロベルト様は私のもの。

障害となる人間はいらない。


夕食は皆でいただこうと言うことになった。


──ふふっ。これから起こることも知らずに。


私は侍女に、ミレーナの料理に毒を入れるよう命令していた。

そしてその時……。

ミレーナが倒れて、ロベルト様が慌て出す。

ああ、これでロベルト様は私だけのもの。

そう思っていたが、一命を取り留めた。


「これ全て入れたの!?だから入れろって言ったじゃない!」


「すみません……」


「何してんのよ!!殺せと言ったでしょ!?」


ミレーナの部屋で侍女を怒鳴っていると、ロベルト様達がやって来た。

まずいと思い、すぐに身を隠した。


すぐに暗殺依頼を頼んだがそれも失敗に終わった。


──なんで!?なんで、いつも上手くいかないのよ!?

私が幸せになるためには、ミレーナは邪魔なのよ!!


その後、少々値が張るが裏稼業で暗殺を行っている、劇団にお願いすることにした。何度も通い、緻密に計画をねった。

そして、遂にその時が来た。


──これで、ようやくすべてが終わる……

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